
アリゾナ州、暗号資産準備金法案が最終可決へ前進

米アリゾナ州において、戦略的なデジタル資産準備金を設立することを目指す法案「SB 1373(Strategic Digital Assets Reserve Bill)」が、州議会下院の「委員会全体(Committee of the Whole)」で承認された。これは最終採決に向けた重要な一歩であり、次の本会議での投票で可決されれば、州知事ケイティ・ホッブス氏のもとへ送られることになる。
犯罪押収資産をデジタル資産として運用へ
SB 1373法案の目的は、刑事事件で押収されたデジタル資産を活用し、州の財政安定に資する「戦略的デジタル資産準備金ファンド」を設立することにある。このファンドはアリゾナ州の財務長官によって管理され、毎会計年度において最大10%を暗号資産に投資できるとされている。
また、ファンドの資産は、リスクを抑えた範囲で貸し出すことも可能となり、利回りの向上が期待されている。
州知事の動向と今後の見通し
ただし、法案成立には不確定要素も残る。ホッブス知事は現在、障害者支援法案が議会を通過するまで他のすべての法案を拒否する姿勢を表明しており、今週だけでも15本以上の法案に拒否権を発動している。
しかし、業界関係者の中には楽観的な見方もある。Bitcoin Lawsの創設者であり、ApolloのCEOでもあるジュリアン・ファーラー氏は、SB 1373の本会議可決は「十分に見込める」とし、場合によっては暗号資産を法定通貨とみなす法案「SB 1062」と統合される可能性も示唆している。
州レベルのビットコイン準備競争でアリゾナがリード
さらに、アリゾナ州ではビットコインを対象とした別の法案「SB 1025(Strategic Bitcoin Reserve Act)」も同時に進行中であり、こちらも最大10%の州財政資産および退職年金資金をビットコインに投資することを認める内容となっている。
SB 1025もすでに4月1日に下院の委員会全体を通過し、最終投票を待つ段階に入っている。
GENAIの見解

アリゾナ州の取り組みは、米国の州レベルにおいて暗号資産を財政運用の手段として取り入れようとする画期的な動きであると評価できます。
特に、ビットコインやその他のデジタル資産を準備金の一部として正式に組み入れる姿勢は、これまでの中央集権的な金融制度からの脱却を模索する先進的な試みといえるでしょう。
こうした法案が議論され、実際に採決へと進んでいることは、暗号資産が国家財政や公共部門の運営において、より実用的かつ信頼できる手段として認識され始めていることを示しています。
仮に今回の法案が政治的な事情で一時的に停滞したとしても、今後アリゾナ州のみならず他州にも同様の動きが広がる可能性が高いと考えられます。暗号資産の制度化に向けた大きな一歩として、今後の展開に注目したいところです。