SECが暗号通貨取引規制の再構築に着手、4月11日に公開円卓会議を開催

米証券取引委員会(SEC)は、暗号資産取引の規制強化と制度設計に向けた新たな枠組み構築に取り組んでおり、その一環として4月11日に公開形式の円卓会議を開催することを発表した。今回のイベントは、SECが主導する「暗号タスクフォース」によって企画され、ワシントンD.C.本部にて午後1時より実施される。ライブ配信も予定されている。

目次

「明確で合理的、公正なルール」を目指す

SECコミッショナーであり、タスクフォースのリーダーを務めるヘスター・ピアース氏は、「業界の懸念や提案を取り入れることで、SECは暗号分野に対し明確かつ実行可能な規制を提供できる」と述べており、対話型アプローチによる規制構築の重要性を強調している。

今回の会議は、今年3月から始まった全5回の円卓シリーズの第2回目にあたる。

業界と学術界の代表が一堂に集結

イベントはSEC高官による開会挨拶から始まり、Goodwin Procter LLPのニコラス・ロスルド氏のモデレーションによるパネルディスカッションが行われる。登壇者には、Uniswap Labs、Coinbase、NY証券取引所、FalconX、Cumberland DRWなどの幹部や、UCバークレーの金融教授、業界団体代表らが名を連ねており、実務と学術の両面から規制課題を掘り下げる。

規制の焦点は「市場構造」から「監視体制」へ

今回の会議では、主に暗号取引の市場監視とその規制の方向性が議論される予定であり、午後3時には30分間の休憩を挟んで、最終セッションで具体的な提案や意見の取りまとめが行われる。

参加者は事前登録の上で現地出席が可能であり、一般視聴者はオンライン視聴が可能となっている。

規制整備の流れが加速、今後もシリーズ継続

SECは今後も、4月25日、5月12日、6月6日にそれぞれ円卓会議を開催予定としており、それぞれトークン分類、市場構造、保管、コンプライアンス義務といった個別テーマに焦点を当てる。

今回の取り組みは、デジタル資産規制の抜本的見直しと米国の競争力強化に向けた重要なステップとなる可能性が高い。

GENAIの見解


GENAI

注目すべきは、従来の一方的な規制方針とは異なり、業界との対話を重視する“円卓会議方式”を採用している点です。これは、規制とイノベーションのバランスを見極めようとする動きとして非常に前向きだと評価できます。

SECが今回の会議で焦点を当てるのは、市場構造や監視体制、取引ルールの整備であり、これは米国における暗号資産市場の長期的な健全性を保つ上で不可欠な課題です。特に、UniswapやCoinbaseといった主要プレイヤー、さらには学術界や証券取引所の関係者が参加している点から見ても、実務と理論の両側面から現実的なルールづくりが行われる可能性が高まっていると見ています。

また、ヘスター・ピアース委員のような業界に理解のある人物がリーダーシップを取っていることは、技術革新を阻害せず、かつ投資家保護を両立させるための有効な道筋になると考えています。暗号業界にとっては、ようやく“聞いてもらえる場”が設けられたという意味で、対話の扉が開かれた非常に貴重な機会です。

ただし、これが本当に有益な規制に繋がるかどうかは、今後の議論の中身と実際の法制化プロセスにかかっています。SECがこのシリーズを通じて一貫性のある、かつイノベーションを殺さない規制方針を明確に打ち出せるかどうかが、米国がWeb3分野で引き続きリーダーシップを取れるかの分水嶺となるでしょう。

総じて、今回の円卓会議は、米国の暗号資産政策の信頼性と透明性を高めるための第一歩であり、業界関係者・投資家双方にとって期待を持って注視すべき重要な動きであると考えています。

※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)への投資を勧誘するものではありません。当サイトの情報に基づいて生じた損害やトラブルについて、当編集部は一切の責任を負いかねます。ユーザーご自身の判断と責任において情報をご利用ください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次