SEC、PoWマイニングは証券取引に非該当と明言｜トランプ政権下で規制明確化

SECは、トランプ政権下でプルーフ・オブ・ワーク（PoW）による暗号資産マイニングが証券規制の対象外であることを明確にした。これにより、長らく法的曖昧さが指摘されてきた暗号資産マイニング分野において、業界関係者に新たな安心材料を提供した。

SEC、PoWマイニングは証券取引に非該当と明言

今回のガイダンスによって、ビットコインなどに代表されるPoW型のマイニング活動は、連邦証券法上の登録義務を負わないことが明らかとなった。ソロマイナーおよびマイニングプールの参加者は、報酬が自身のコンピューティング努力に基づく「サービス対価」であり、第三者の管理的な努力に依存しないため、証券に該当しないとされた。

この結果、PoW型のマイナーにとっては規制上の負担が軽減される見通しである。

この結論は、SEC対W.J.ハウィー社事件で確立された「ハウィーテスト」に依拠している。SECは、マイニングプールにおけるプール運営者の役割も、報酬分配やソフトウェアの保守などの事務的行為に過ぎず、起業家的な性質はないと指摘。マイナーは依然としてネットワーク検証を直接行っており、利益が第三者に依存していない点を重視した。

トランプ政権下で進む規制緩和の動き

この声明は、2025年1月に示されたミームコインに関するガイダンスに続くものであり、トランプ政権の暗号資産政策が、特定ユースケースごとの規制緩和を重視していることが伺える。バイデン政権時代の包括的な取り締まり姿勢とは対照的に、今回の方針は、業界のイノベーション促進に軸足を置いたものである。

業界の反応と今後の展望

業界関係者は、特にビットコインマイナーや分散型ネットワークの運営者にとって大きな前進と捉えている。SECは今後、個別事例に応じた解釈や助言にも対応する構えを示しており、規制環境のさらなる明確化が期待されている。一方で、依然として議論が続く暗号資産規制の全体像には、今後の政権や市場動向が大きく影響を与える可能性がある。

また、ハウィーテストに基づいた明確な基準が示されたことで、個人マイナーやマイニングプールに参加するプレイヤーにとっても、安心材料になったのではないでしょうか。規制の方向性が見えにくい暗号資産市場において、こうしたガイダンスは業界の信頼性向上にも寄与すると考えます。

一方で、トランプ政権による特定ユースケースごとの規制緩和には賛否両論があると思います。規制を緩めすぎることで、別のリスクを生む可能性もありますので、バランスの取れた政策運営が今後は求められるのではないかと感じました。