インドのWeb3スタートアップ、5億6400万ドルを調達し急成長

インドのWeb3スタートアップが2024年に5億6400万ドルの資金を調達し、前年の約2倍に急成長した。これに伴い、インドの開発者コミュニティも拡大を続けており、2028年までに米国を超えると予測されている。

インドのWeb3スタートアップ資金調達の動向と主要セクター

資金調達額は前年を大きく上回ったものの、2022年の14億ドルには届いていない。

Hashed Emergentのレポートによると、2024年の資金調達契約数は2023年よりも43%増加し、アクセラレーターやレイヤー1・2のエコシステム、グローバルWeb3ファンドがこの成長を後押しした。

特にインフラストラクチャー分野への投資が急増し、AI、ミドルウェア、データツーリングプロジェクトが200%以上の成長を記録した。

この分野では、インド発のスタートアップがEigenLayerやSentientといったグローバル企業の資金調達をリードし、DePINやBaaSといった新興領域への投資も拡大している。

開発者コミュニティの成長と今後の展望

金融部門も2021年以来初めて成長を見せ、2023年の5500万ドルから2024年には8600万ドルに増加した。流動的な再ステーキングや実世界資産のトークン化、マルチチェーン金融ツールの発展がこの回復を牽引したとされる。

開発者コミュニティの成長も顕著で、インドのオープンソース開発者の数は年間28%増加し、450万人に達した。これは他の主要4カ国の合計を上回る規模であり、インドが世界最大の開発者コミュニティを持つ国へと進化していることを示している。

インドのWeb3市場が急成長しているのは非常に興味深い動向である。特に、資金調達額が前年の約2倍に増加した点や、開発者コミュニティの急拡大は、同国が世界的なWeb3ハブとしての地位を確立しつつあることを示している。

ただし、2022年の14億ドルに比べると、まだ完全な回復とは言えず、投資環境が依然として慎重である可能性も考えられる。それでも、AIやミドルウェア、DePINなどの新領域への投資が進んでいることは、インドのWeb3市場が多様化し、持続可能な成長を遂げる兆しと言える。

また、開発者コミュニティの拡大は、技術力の向上とともに、今後のイノベーションを生み出す基盤を強化するだろう。特に、2028年までに米国を超えると予測されている点は、グローバルなWeb3業界におけるインドの影響力がさらに増すことを意味しており、今後の動向に注目したい。