
仮想通貨の供給縮小:2025年にBTCとETHが取引所から総額122億ドル流出

2025年1月1日以降、約12万1,000BTC(104.6億ドル相当)と17.4億ドル相当のETHが取引所から流出したことが明らかになった。
2025年の流動性消失現象
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)が中央集権型の取引所から引き出されることで、市場の売り圧力が低下し、流通可能な供給量が減少している。この動きは、自己保管の採用を促進し、ユーザーが資産を非カストディアルウォレットに安全に保管することで、ハッキングや破綻といったリスクからの保護を強化する。
取引所の仮想通貨準備高が歴史的水準に低下
データによると、2025年1月以降、取引所から12万1,000BTC(104.6億ドル相当)が流出。さらに、同期間に79万ETH(17.4億ドル相当)が移動し、合計122億ドルの資産が取引所を離れた。ETHの取引所準備高は2016年夏以来の最低水準にまで減少し、BTCの流動性も2018年7月と同レベルに低下している。
マイナーの蓄積が市場安定に寄与
また、ビットコインマイナーは2025年1月以降、1,000BTC(約8,650万ドル相当)を新たに蓄積している。この蓄積は、マイナーが新規採掘コインを即座に売却する必要性を減らし、市場のボラティリティを抑制しながら価格の安定に寄与する。長期的には、より多くのBTCを保有することでマイナーの財務的健全性が向上し、不安定な市場サイクルの中でも持続可能な運営が可能となる。
分散化の理念と経済的安定性の両立
流通供給量の制限は、一般の仮想通貨保有者とマイナーが共同で価格の安定性を高める要因となる。これにより、中央集権型のリスクを回避しながら、分散化の理念を強化する動きが進んでいる。仮想通貨市場の経済構造は、より持続可能な方向へと再定義されつつある。
このニュースは、仮想通貨市場における自己保管の重要性と、取引所依存からの脱却が進んでいることを示している。取引所からの資産流出は、単なる売買の動向を超えた大きなトレンドを反映しており、より多くの投資家が長期保有を志向し、分散化の理念に基づいた資産管理を選択していることがわかる。
また、マイナーがBTCを蓄積する動きも市場の安定性を高める要因となる。これにより、新規発行コインの売却圧力が低下し、価格の下落リスクを抑えることができる。市場における流動性の低下は短期的には価格変動を引き起こす可能性があるが、長期的にはより堅実な市場基盤を形成する要因となり得る。
さらに、この動きは中央集権型取引所のリスクへの警戒感が高まっていることを示している。近年の取引所の破綻や規制強化により、多くの投資家が自己保管を選択しており、分散型金融(DeFi)や個人管理型ウォレットの利用が増えていることも背景にあるだろう。
総じて、この流れは仮想通貨市場の成熟を象徴するものであり、分散化の理念がより強く根付く重要な転換点と言える。