スタンダードチャータードとOKX、暗号資産とトークン化マネーマーケットファンドを担保とする実証実験を開始

ドバイの仮想資産規制当局の監督のもと、スタンダードチャータード銀行と仮想通貨取引所OKXは、暗号資産およびトークン化されたマネーマーケットファンド(MMF)を担保として使用する新たなパイロットプログラムを開始した。

目次

暗号資産とトークン化資産の担保利用が現実に

スタンダードチャータードとOKXは、2024年4月10日、法人向けに暗号資産やトークン化MMFを担保として利用可能にする新たな「コラテラル・ミラーリング・プログラム(担保の鏡映しシステム)」を発表した。これにより、オフチェーンでの担保活用が可能になり、かつグローバルでシステム上重要とされる銀行がカストディを担当することで、セキュリティが強化される。

この実証実験は、ドバイ国際金融センター(DIFC)内におけるスタンダードチャータードの規制対象カストディアンとしての立場を活かし、ドバイ仮想資産規制局(VARA)の監督のもとで運用される。加えて、暗号資産に積極的な資産運用会社フランクリン・テンプルトンおよびブレバン・ハワード・デジタルが初期参加企業としてこの取り組みに関与している。

フランクリン・テンプルトンのオンチェーン資産にOKX利用者がアクセス可能に

この連携により、OKXの利用者はフランクリン・テンプルトンのデジタル資産チームが開発したオンチェーン資産へのアクセスが可能となる。フランクリン・テンプルトンのデジタル資産部門責任者ロジャー・ベイストン氏は次のように述べた。

「当社はブロックチェーン資産への直接投資だけでなく、自社チームによる革新的なソリューション開発も行っています。資産をオンチェーンでミント(発行)することで、真の所有権を確保し、ブロックチェーンのスピードで移動・決済できる体制を整えています。」

この取り組みにおいて、フランクリン・テンプルトンは複数のMMF商品の第一弾を提供する企業となる予定であり、今後もOKXおよびスタンダードチャータードとの協業を通じて、追加のトークン化ファンドが展開される見通しである。

トークン化担保が機関投資家に新たな選択肢を提供

暗号資産業界では、担保とはブロックチェーン上で管理される資産を指し、貸し手が貸付時の返済保証として借り手に提示を求めるものだ。価格変動が大きい暗号資産であっても、スタンダードチャータードはこの仕組みに可能性を見出している。

同行のグローバル資金調達・証券サービス部門責任者マーガレット・ハーウッド=ジョーンズ氏は、以下のようにコメントしている。

「OKXとの連携により、暗号資産およびトークン化MMFを担保として利用可能にすることは、機関投資家に対して信頼性と効率性を提供する重要な一歩です。私たちの既存のカストディインフラを活用することで、最高水準のセキュリティと規制遵守を実現し、デジタル資産エコシステムへの信頼をさらに高めることができます。」

市場の制度化と革新を後押しする動き

また、ブレバン・ハワードのコンプライアンス責任者ライアン・テイラー氏も、本プロジェクトを「暗号資産市場における制度化と革新のさらなる加速例」として評価している。

「デジタル資産への投資を積極的に行っている当社としては、グローバルなエコシステムの成長に貢献できるこのような先進的な取り組みにパートナーとして関われることを非常に嬉しく思います。」

このように、デジタル資産を担保とする制度設計は、従来の金融システムとの接続性を高めるだけでなく、機関投資家がより積極的に暗号資産を採用するための土台となるだろう。

GENAIの見解


GENAI

注目すべきは、スタンダードチャータード銀行のような国際的大手金融機関が、暗号資産およびトークン化されたMMF(マネーマーケットファンド)を機関向け担保として正式に活用し始めた点です。

この取り組みは、ドバイの仮想資産規制当局の明確な枠組みの中で行われており、暗号資産の信頼性・安定性を高めるうえで大きな一歩となります。従来の金融システムとDeFi(分散型金融)の橋渡しを実現することにより、今後はより多くの機関投資家が暗号資産市場に参入することが期待されます。

また、OKXとフランクリン・テンプルトンの連携によって、オンチェーン資産へのアクセス性が高まる点も評価できます。これは、単なる価格投機から脱却し、実需を伴う金融ソリューションとしての仮想通貨活用が進んでいる証拠です。

総じて言えば、この実証実験は、今後の仮想通貨担保ローンやトークン化資産の普及を後押しする可能性が高く、業界にとって非常にポジティブなニュースであると考えています。制度と技術が融合していくことで、デジタル資産の活用領域はますます広がっていくでしょう。

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