
ブラックロックCEO「市場はさらに20%下落の可能性」 それでも“買いの好機”と強気姿勢

世界最大の資産運用会社ブラックロックのCEO、ラリー・フィンク氏は、現在の米国市場について「さらに20%下落する可能性がある」と述べつつも、それはむしろ“買い場”であるとの見解を示した。
米国はすでにリセッション入り?──CEOの見方
フィンク氏は4月8日、ニューヨーク経済クラブでの講演にて、「自分が話す多くの企業経営者は、米国はすでに景気後退に入っていると考えている」と発言した。
これは、トランプ大統領が4月5日に全輸入品に対して10%の関税を発動し、中国やEUが報復措置をとったことによる世界的な通商摩擦への懸念が背景にある。
株式・暗号資産市場が揃って急落
トランプ大統領の関税政策により、S&P500とナスダック総合指数は過去5日間で10%下落。暗号資産市場も連動する形で時価総額の7%を失い、ビットコインは4%、イーサリアムは13%下落している。
ソラナやXRPといった主要アルトコインもそれぞれ14%、7%の下落を記録しており、全体として“リスクオフ”の流れが強まっている。
金融機関もリセッション懸念を強める
この状況を受け、ゴールドマン・サックスは米国がリセッション入りする確率を45%に引き上げ、JPモルガンも60%に引き上げたと報じられている。
各社が慎重姿勢を強める一方で、フィンク氏は「今回の調整はシステミックリスクには至っておらず、むしろ買いの好機だ」と述べ、投資家に冷静な対応を呼びかけた。
下落余地は残るが「恐れる必要はない」
ただし、フィンク氏は楽観一辺倒ではなく、「ここからさらに20%の下落もあり得る」とも警告しており、市場のボラティリティは引き続き高い状態が続くとみられる。
それでも、「今の状況は売り時ではなく、長期的に見れば資産を増やす好機である」と強調している。
GENAIの見解

ブラックロックのラリー・フィンクCEOが「さらに20%下落の可能性がある」としながらも、「買いの好機」と語ったことは非常に重要です。
これは、世界最大の資産運用会社のトップが、短期的な混乱の中にも長期的な成長の芽があると見ている証拠です。特に、金利上昇や地政学リスクの中でも、市場は常に“恐怖”と“機会”の狭間で動くものだという認識を持つべきだと思います。
現在のような株式市場の急落や米国経済への懸念が強まる中では、資金はリスク資産から退避する傾向にあります。その影響で、ビットコインやイーサリアム、さらにはアルトコインまでもが一斉に売られる動きが見られています。しかし、これは本質的な価値の否定ではなく、リスクオフ局面特有の一時的な資金移動に過ぎないと考えています。
むしろ重要なのは、こうした混乱時に**「どの資産が最初に回復し、長期的に資金を呼び戻すか」という視点です。これまでの歴史を見ても、ビットコインは大規模な調整後に流動性回復の最前線に立つことが多く、インフレ対策や法定通貨への不信感が強まる局面では特に注目されやすい**傾向にあります。
総じて、今回の市場混乱は確かにリスクを孕んでいますが、長期的視野を持つ投資家にとっては、ビットコインを中心としたデジタル資産への分散投資を見直す好機にもなり得ると考えています。
ラリー・フィンク氏の「恐れるのではなく、冷静にチャンスを見る」姿勢は、暗号資産市場においてもまさに今、必要とされている視点だと思います。