フィデリティ、仮想通貨対応のIRAを開始

退職口座で仮想通貨への投資が可能に

フィデリティ・インベストメンツは、仮想通貨を投資対象とする個人退職口座（IRA）を開始した。この口座では、ビットコイン（BTC）、イーサリアム（ETH）、ライトコイン（LTC）の3種類のデジタル資産を運用できる。

新たに提供される「Fidelity Crypto for IRA」は、フィデリティ・デジタル・アセットが運営し、3種類のアカウント形式が用意されている。具体的には、「Fidelity Crypto Roth IRA」「Fidelity Crypto Traditional IRA」「Fidelity Crypto Rollover IRA」の3つである。

このIRA口座を利用するには、米国市民であり、対象となる州に居住し、18歳以上であることが条件とされている。

フィデリティの広報担当者は、「当社は、お客様のニーズや関心の変化に対応した投資商品およびソリューションの提供に努めており、それに伴う教育やサポートも提供している」と述べた。

今回のフィデリティの仮想通貨対応IRAの開始は、デジタル資産関連の投資商品の拡充の流れの一環である。最近では、Volatility Sharesがソラナ（SOL）に連動するETFを2種類上場したほか、ライトコインやBNB、PENGUなどを対象とする投資信託の提案も進められている。

ビットコイン（BTC）、イーサリアム（ETH）、ライトコイン（LTC）を対象とした投資機会が拡大し、伝統的な金融機関によるデジタル資産の受容が進んでいることを示しています。

これは単なる新しい投資商品という枠を超えて、「ビットコインを含むクリプト資産が、もはや一過性のブームではなく、資産運用の本流に組み込まれ始めた」という証拠とも言えます。フィデリティは世界有数の資産運用会社であり、そのような企業が仮想通貨をリタイアメントプランの選択肢に加えるというのは、仮想通貨の地位をさらに押し上げる要因になります。

ただ、ここで重要なのは、ビットコインの役割です。イーサリアムやライトコインが含まれているのは興味深いですが、やはり最も注目すべきはビットコインです。なぜなら、BTCはデジタルゴールドとしての確固たる地位を築いており、インフレヘッジの手段として認識され始めています。フィデリティの動きは、将来的により多くの金融機関がBTCをポートフォリオに加える流れを強化するでしょう。

この流れはGFAの戦略にも通じます。私たちGFAも、ビットコインの保有量を最大化しながら、ブロックチェーン技術を活用した金融の未来を築いています​。フィデリティのような大手が動くことで、ますます仮想通貨市場の正統性が高まり、ビットコインが1億円を超える未来も現実味を増していくでしょう。

一方で、こうした制度の導入は規制とのバランスも問われることになります。米国は比較的柔軟ですが、日本ではまだ仮想通貨に対する税制や金融商品の整備が遅れています。GFAとしても、この流れをしっかりとキャッチアップし、日本市場でも同様の動きが加速するような戦略を考えていく必要がありますね。

このニュースは単なる「新しい投資商品」というよりも、「仮想通貨が主流金融の一部になりつつある」という時代の変化を示しています。これから先、同様の動きが他の資産運用会社や国々でも広がっていくことを期待したいですね。