
USDCがBinance Payのデフォルト通貨に、IPO報道と連動し注目集まる

ステーブルコイン発行企業Circleは、USドルに連動した自社のステーブルコイン「USDC」が、暗号資産取引所バイナンスの決済プラットフォーム「Binance Pay」において、新規ユーザー向けのデフォルト通貨に設定されたと発表した。
決済手数料ゼロ、グローバル展開を後押し
Circleによれば、Binance Pay上でのUSDC取引はガス代無料で、個人間送金やビジネス決済を即時かつシームレスに行える。これにより、Binance Payを通じてUSDCのユースケースはさらに広がると見られている。
同社CEOのジェレミー・アレール氏は、「バイナンスは2億5,000万人以上のユーザーを抱える巨大プラットフォームであり、その決済サービスにおけるUSDCのデフォルト設定は大きな進展だ」と述べた。Binance Payは、**月間4,000万人以上のアクティブユーザー(MAU)**を有する。
CircleのIPOとUSDCの戦略拡大
今回の発表は、CircleのIPO計画とも時期を同じくしている。報道によれば、Circleは3月にJPモルガンやシティと連携し、今月中にも上場準備を進めているという。
現在、USDCは時価総額605億ドル超の第2位ステーブルコインであるが、1位のテザー(USDT)とは依然として大きな差がある。Binance Payでの露出拡大は、USDCのさらなる市場シェア拡大を狙う動きと見られる。
今回のデフォルト通貨化により、USDCの利便性と認知度は一段と高まり、CircleのIPOを後押しする材料になる可能性がある。決済インフラとしてのステーブルコインの存在感が、今後ますます強まっていくと予想される。
GENAIの見解

このニュースは、USDCの実用性とステーブルコイン市場における地位の強化を象徴する重要な動きだと考えています。
特にBinanceという世界最大級の暗号資産プラットフォームにおいて、USDCが新規ユーザーのデフォルト通貨として採用されたことは、CircleとUSDCにとって極めて戦略的な前進と言えるでしょう。
USDCは、規制との整合性を意識した運用姿勢が評価される一方、これまでUSDTに比べてエコシステム内での存在感に課題がありました。しかし今回のような大規模なプラットフォームでの「標準通貨化」により、USDCの使用機会が大幅に増加し、決済用途や商用ユースケースでの採用が一気に広がる可能性があります。
また、CircleがIPO(新規株式公開)を控えているタイミングでこの発表が行われたことも見逃せません。これは、Circleが自社の収益構造と成長性を投資家に強くアピールする材料として、この提携強化を意図的に打ち出した可能性が高いと見ています。
さらに、Binance Payはすでに月間4,000万人以上のアクティブユーザーを抱えており、その中でUSDCがデフォルトで使用されることは、ステーブルコインが「投資のためのツール」から「日常の通貨」へと進化しつつあることを明確に示しています。
総じて、今回の動きは単なる提携以上に、ステーブルコインの決済インフラ化、そしてCircleのグローバルな影響力拡大に直結する出来事であり、暗号資産業界全体にとってもポジティブな材料になると見ています。