クラーケンがカナダで「制限付きディーラー登録」を取得、Gemini撤退後も市場拡大へ

暗号資産取引所クラーケンが、カナダで「制限付きディーラー登録」を取得した。これにより同社は、同国市場における事業継続と拡大への姿勢を明確にし、ライバルであるGeminiの撤退後もカナダ市場への関与を強化する構えを示した。

この登録により、クラーケンはオンタリオ証券委員会（OSC）の監督下で合法的に取引サービスを提供できる体制が整った。現在、同社は20億カナダドル（約14億米ドル）超の資産をカストディしており、顧客に対してより安全で信頼性の高い取引環境を提供することが可能となる。

Gemini撤退で揺れる市場にクラーケンが安定を提供

2024年末、競合のGeminiが突如カナダ市場から撤退したことで、国内の暗号資産規制に対する不透明感が投資家の間に広がった。そうした中、クラーケンが新たな登録を取得したことで、市場に一定の安定感がもたらされている。クラーケンは長年にわたりカナダ市場に関与しており、2016年には地元の暗号資産取引所「CaVirtEx」を買収した実績もある。

北米新責任者にGemini出身のDel Pozo氏が就任

さらにクラーケンは、今回の登録と同時に北米地域の新ジェネラルマネージャーとして、Cynthia Del Pozo氏の就任を発表した。Del Pozo氏はGeminiで戦略部門の責任者を務めた人物であり、カナダ市場に精通した経歴を持つ。同氏は「カナダは暗号資産の採用が進む重要な転換点にある」と述べ、今後の市場拡大に意欲を示している。

制限付きディーラー登録とは、カナダ証券管理局（CSA）が定める8種類の業者登録の一つであり、特定の条件や要件を満たす企業に対して付与される。従来の投資ディーラー等と異なり、既存のカテゴリーに当てはまらない企業向けの柔軟な登録形態である点が特徴だ。

クラーケンにとって今回の登録は、規制環境が厳しさを増す中での重要なマイルストーンであり、同社の長期的な市場戦略を支える基盤となる。今後は、新体制のもとでカナダ市場におけるプレゼンスを一層強化していく見通しである。

クラーケンは長年にわたりグローバルで規制順守を重視しており、今回の登録取得もその一環と言えるでしょう。特にカナダのように規制の整備が進みつつある国では、こうした正式な登録は、信頼性や透明性を求める機関投資家やリテール投資家にとって安心材料になります。

また、新たに北米の責任者としてGemini出身のCynthia Del Pozo氏を起用した点も評価できます。彼女の知見と実績は、規制に適応した上でのビジネス展開に非常に有効だと思われます。カナダ市場は、まだ発展途上であるものの、確実に成長が見込める地域であり、今後の普及に向けた足掛かりとして、クラーケンの今回の動きは戦略的にも非常に理にかなっていると感じます。

総じて、クラーケンのような大手が規制の枠組みに積極的に順応し、カナダ市場へのコミットメントを強めていくことは、業界全体の健全な成長につながると考えています。