コインベース、サウスカロライナ州でステーキングを再開 – 規制障壁の崩壊が続く

暗号資産取引所コインベースは、サウスカロライナ州がステーキングサービスに関する法的措置を取り下げたことを受け、同州でのステーキングサービスを再開した。これは暗号資産分野の規制障壁が次々と崩れていることを示す重要な一歩である。

サウスカロライナ州、コインベースへの法的措置を取り下げ

サウスカロライナ州司法長官事務所の証券部門とコインベースは、2023年6月に提起された執行措置を取り下げることで合意し、木曜日に正式に法的紛争が終了した。今回の規制手続きは、同州がコインベースのステーキングサービスに対して停止命令を出したことから始まった。

両者が共同で提出した合意書によると、事件は取り下げられ、当初の命令は無効となった。罰則や法的費用は発生しないことも明記されている。ただし、文書には「この決定は本件の内容や他の事件に関する部門の立場を必ずしも反映するものではない」と記載されている。

コインベース法務責任者、規制の変化に言及

コインベースのチーフ・リーガル・オフィサー（CLO）であるポール・グレワル氏は、この結果についてSNSプラットフォームXで次のように述べた。

「ドミノは倒れ続けている。サウスカロライナ州もバーモント州に続き、コインベースに対する根拠のないステーキング訴訟を取り下げた。」
さらにグレワル氏は、サウスカロライナ州でのステーキングサービスの再開を報告した。「すべてのエントリーポイントを含め、サウスカロライナ州でステーキングが再開された。」

サウスカロライナ州住民への経済的影響

グレワル氏はまた、この規制手続きがサウスカロライナ州の住民に与えた経済的損失にも言及した。
「この件により、サウスカロライナ州民は推定200万ドル（約3億円）のステーキング報酬を失った。暗号資産を保有する5200万人の米国人には、常識的な消費者保護と明確なルールが必要だ。」と述べた。

グレワル氏は最後に、「サウスカロライナ州が正義のために立ち上がったことを称賛する。ステーキングを禁止している他の州もこの動きに注目してほしい」と強調した。

暗号資産規制の今後の展望

今回の和解により、サウスカロライナ州規制コード「S.C. Code of Regulations 13-604(X)」の下で、この問題は正式に終了した。

これは暗号資産分野の法執行が転換期を迎えていることを示唆しており、今後、ステーキング規制をめぐる他州の動向にも注目が集まるだろう。

ステーキングは、仮想通貨のエコシステムにとって重要な役割を果たしており、ユーザーに安定した報酬を提供するだけでなく、ブロックチェーンネットワークのセキュリティ向上にも貢献しています。今回の法的措置の取り下げは、米国の仮想通貨投資家にとっても安心材料となり、より多くのユーザーが安心してステーキングサービスを利用できる環境が整いつつあります。

さらに、サウスカロライナ州がこの措置を取り下げたことで、他の州でもステーキング禁止措置が見直される可能性が高まっています。ポール・グレワル氏が指摘したように、米国には約5200万人の仮想通貨保有者がいるため、明確な規制ルールと消費者保護の枠組みの整備は急務です。この動きが他の州にも波及すれば、全米レベルでのステーキングサービスの普及が加速するでしょう。

しかし、今回の決定は「必ずしも規制当局の立場を変えたわけではない」との記述もあるため、今後の規制方針には引き続き注意が必要です。仮想通貨業界は依然として不確実性が残る分野ですが、このようなポジティブな前例が増えれば、規制当局との対話もより建設的なものになっていくと期待しています。