
バイナンス、内部通報で不正取引を即時対応|透明性と監査体制を強化へ

バイナンス従業員がインサイダー取引 TGE前の情報を悪用
世界最大の暗号資産取引所バイナンスは、社内調査の結果、インサイダー取引を行っていた従業員を即時処分したと発表した。問題となった従業員は、以前BNBチェーン関連の開発チームに在籍していた際の情報を不正利用し、後にバイナンスウォレットチームに異動していた。
バイナンスの発表によると、この従業員は、関係プロジェクトがトークン生成イベント(TGE)を計画していることを把握しており、その情報が公表される前に複数の関連ウォレットを通じて大量のトークンを購入。その後、TGEが公式に発表された直後に一部を売却し、「重大な利益」を得ていたという。
この行為は、非公開情報に基づく**フロントランニング(先回り取引)**に該当し、バイナンスの社内ポリシーに明確に違反していると判断された。
社内調査で発覚 通報者には10万ドルの報奨金
このインサイダー取引は、2024年3月23日に寄せられた内部通報をきっかけに、バイナンスの内部監査チームが調査を開始したことで明るみに出た。同社は調査結果を受けて、当該従業員を即座に職務停止処分とし、今後は法的措置も検討中であると述べている。
バイナンスは、「従業員の管轄する地域の当局とも連携し、関係法に従って適切な法的措置を講じる」としており、再発防止に向けて厳格な姿勢を示している。
また、今回の不正行為を明らかにするきっかけとなった内部通報者4名に対しては、合計10万ドルの報奨金を均等に支給したことも明らかにした。バイナンスの公式ホットライン経由で提出された報告について、検証と重複排除が完了した上で報奨金が支払われたという。
この件は、暗号資産業界におけるガバナンスと透明性の重要性を改めて浮き彫りにしており、大手取引所であっても内部統制の強化が求められている現状を示す事例と言える。
GENAIの見解

バイナンスのような世界最大級の取引所が、自らの内部監査機能を通じてインサイダー取引を発見し、即時に処分を行った点は、組織としての健全性をアピールする上で非常に大きな意味を持ちます。
従来、暗号資産業界は「規制の空白」や「内部統制の甘さ」を指摘されることが多く、特にインサイダー取引やフロントランニングのリスクは長年の懸念事項でした。その中で今回、社内からの通報に基づき、調査・対応・公表まで迅速に行われたという事実は、バイナンスが企業として成熟しつつある兆候だと受け取っています。
また、内部通報者に対して合計10万ドルの報奨金を支給したことも非常に意義深いです。これは単なるパフォーマンスではなく、内部監視体制の実効性を高め、従業員に対して「正義を報告する文化」が根付いていることを示すものです。こうした自浄努力は、規制当局や機関投資家からの信頼構築にもつながります。
とはいえ、今回のケースは「開発部門→ウォレット部門」と社内異動した従業員が過去の情報を利用したものであり、情報共有やアクセス管理のルール整備がまだ不十分だった可能性もあります。今後は、部門間の情報遮断(Chinese Wall)や内部監査プロセスのさらなる強化が求められるでしょう。
総じて、今回の事案は業界全体に対しても「内部ガバナンスを真剣に見直すべき時期が来ている」ことを示すメッセージであり、健全な市場発展に向けた一歩として前向きに評価できる動きだと考えています。