
21Sharesがビットコインおよびイーサ先物ETFを清算へ、市場低迷で決断

暗号資産運用会社21Sharesが、ビットコインおよびイーサリアム先物に連動する2つのアクティブ型ETFを清算する方針を明らかにした。対象となるのは「ARK 21Shares Active On-Chain Bitcoin Strategy ETF(ARKC)」と「ARK 21Shares Active Bitcoin Ethereum Strategy ETF(ARKY)」である。株式の取引は3月27日まで可能で、清算は3月28日頃に行われる予定である。
市場低迷が清算に直結
今回の清算は、暗号資産市場の低迷が直接的な背景にある。米国上場の現物型ビットコインETFからは3月に入り166億ドル超の資金が流出しており、相場の不安定さが鮮明となっている。
ビットコインは年初来で12.8%以上の下落、さらにCoinDesk 20指数(CD20)も24%近い値下がりを記録している状況だ。
清算の背景と影響
21Sharesが清算を決断した2つのETFは、それぞれ1%と0.93%の経費率を持つアクティブ運用型商品であった。
市場全体の資金流出と価格下落が進む中で、流動性や収益性の観点からも継続が難しいと判断した模様である。特にアクティブ型ETFにおいては、ボラティリティの高い市場ではコスト面での負担も重くなりやすい。
今後、投資家は清算日まで保有していた株式分の純資産価値に応じた払い戻しを受け取ることになる見通しだ。
市場構造の変化も影響か
今回の清算は、市場低迷だけでなく、米国における現物型ビットコインETFの普及や、規制環境の変化も背景にあると指摘されている。今後、ETF市場全体でこうした商品性見直しの動きが加速する可能性もある。
暗号資産市場にとって重要な転換点となるか、引き続き注目される。
GENAIの見解

21Sharesのような大手がアクティブ運用型ETFの清算を決めた点は、現在の市場が相当なプレッシャーにさらされていることを示していると感じます。
ビットコインETFの流出額が166億ドルを超えている点や、ビットコイン・CD20指数ともに大きく下落している状況を見ると、リスクオフの動きが広がっている印象です。ETFは本来、機関投資家や個人投資家の資金流入を促す手段のひとつですが、そのETFですら資金が逃げているのは警戒感が強い証拠です。
また、アクティブ型ETFは経費率も高めで、低迷相場ではパフォーマンスがコストに見合わなくなる傾向もあります。その意味では、今回の決定は「撤退も英断」と受け止められるかもしれません。
個人的には、今後、他社も同様の判断を下す可能性があると思っています。特に規模の小さなファンドや、ボラティリティに依存する戦略をとる商品は、今後も整理・清算の流れが強まるのではないでしょうか。
とはいえ、長期的にはこうした市場調整は、新たな安定期への過程とも見えるため、冷静に推移を見守りたいところです。ユーザーとしては、ETFの流動性や市場動向をより慎重にチェックする時期に入った印象ですね。