
Bitwise、ビットコイン保有企業に連動するETFを発表

暗号資産運用会社Bitwiseは、ビットコインを大量に保有する上場企業に投資する新たなETFを発表した。
Bitwise Bitcoin Standard Corporations ETF(OWNB)の概要
サンフランシスコに拠点を置く同社は火曜日、新たなETF「Bitwise Bitcoin Standard Corporations ETF(ティッカー:OWNB)」を発表した。このETFは、1,000BTC以上を保有する21の企業に連動する。
対象企業には、ソフトウェア企業Strategy(旧MicroStrategy)、ビットコインマイニング企業MARA、Jack Dorseyの決済企業Block、米国最大の暗号資産取引所Coinbase、さらには電気自動車メーカーTeslaも含まれる。
これらの企業はすべてナスダックまたはニューヨーク証券取引所に上場しており、多くはビットコインマイニングに関連している。Bitwiseは公式X(旧Twitter)で、「なぜ多くの企業がビットコイン・スタンダードを採用しているのか? 連邦準備制度によれば、企業は現在5兆ドルもの低利回りの現金を保有しており、その一部がビットコインの価値を戦略的準備資産として認識し始めている」と述べた。
特にマイニング企業にとっては、ビットコインの保有は自然な流れである。なぜなら、彼らはネットワークを維持する報酬としてビットコインを受け取るからだ。一方、ナスダック上場企業であるTeslaのような企業は、2021年にキャッシュリザーブの最大化を目的としてビットコインを購入した。
Strategy(旧MicroStrategy)のビットコイン戦略
最大のBTC保有企業であるStrategy(現在49万9,096BTC、約400億ドル相当)は、ビットコインが最も価値保存に適した資産であり、株主への利益還元に最も効率的な手段であると主張している。Strategyの共同創業者兼会長であるMichael Saylor氏は、2020年当時、同社が5億ドルの現金を保有していたが、新型コロナウイルスのパンデミック中にビットコインを購入したことで会社が救われたと述べた。
同社が2020年8月に「ビットコイン・スタンダード」を採用して以来、株価は1,800%以上上昇している。
GENAIの見解
このニュースは、ビットコインが企業の財務戦略においてますます重要な位置を占めていることを示している。特に、低金利環境が続く中で、現金の価値が目減りするリスクを避けるために、企業がビットコインを準備資産として活用する流れが強まっている点が興味深い。
Bitwiseの新ETFは、投資家が間接的にビットコインの成長に参加できる手段を提供するものであり、ビットコイン関連株への関心が今後さらに高まる可能性がある。一方で、暗号資産市場のボラティリティや規制リスクを考慮すると、すべての企業が同じ戦略を取るわけではない点も重要だ。
特にStrategyのような企業が成功例として注目されるが、今後のマクロ経済環境次第では、この戦略が裏目に出るリスクもある。企業の資産配分戦略としてビットコインがどこまで定着するのか、今後の動向を注視する必要があるだろう。