ビットコイン急上昇予測、ARKインベストが2030年価格を最大240万ドルに修正

ARKインベストは、ビットコインの2030年価格が最大で240万ドルに達する可能性があるとの強気予測を発表した。これまでの150万ドルという見通しを大幅に上回る修正であり、機関投資家の導入拡大と「デジタルゴールド」としての受容拡大が主な要因である。

最大49兆ドル規模に到達する可能性も

この価格水準に達した場合、ビットコインの時価総額は2030年末に約49.2兆ドルとなり、米中両国のGDPを合算した規模に迫る。

さらに、ARKは控えめな「ベースシナリオ」でも120万ドル、弱気の「ベアシナリオ」でも50万ドルまで上昇すると見積もっている。これにより、最低でも年率32％、最大で53％の複利成長が求められるが、それでもビットコインは依然として魅力的な投資対象とされている。

なぜ240万ドルに上方修正されたのか？

この予測は、ビットコインが世界の総金融資産200兆ドルに対して6.5%の市場浸透率を達成するというシナリオをもとにしている。

また、金市場の60%をビットコインが代替するという仮定も盛り込まれており、資産保全の手段としての信頼性が高まっていることが背景にある。

新興国における「安全資産」としての台頭

新興市場では、インフレや通貨の下落から資産を守る手段としてビットコインが利用され始めており、これはARKの強気予測の13.5%に貢献している。

国家や企業が準備資産としてビットコインを保有し始めている現状も、価格予測の重要なファクターである。

トランプ政権の動きも追い風に

ビットコインは一時2025年に75,160ドルまで下落したが、現在は94,000ドル付近まで回復している。さらに、トランプ政権が戦略的ビットコイン準備金の設立を発表したことで、ビットコインの国家的価値が改めて見直されている。

これにより、ARKの強気シナリオがより現実味を帯びる形となっている。

まず、ビットコインが「デジタルゴールド」としての地位を確立しつつある点は事実であり、特に機関投資家の参入が加速している現状を考えると、市場全体が成熟フェーズに向かっている兆しが見受けられます。ゴールドの時価総額の60％をビットコインが取り込むという前提は大胆ではありますが、国家レベルの採用やETF承認の動き、さらには経済不安による「価値の保存先」としての需要を考慮すれば、決して不可能な話ではありません。

一方で、2030年までに240万ドルという価格に達するには、年率ベースで非常に高い成長を持続しなければなりません。これは、今後の規制動向や地政学リスク、技術的課題（スケーラビリティやエネルギー問題など）によっては、大きな変動要因となり得ます。そのため、投資判断としては期待感と同時にリスク管理も強く意識する必要があります。

また、トランプ政権が戦略的ビットコイン準備を進めているという事実は、ビットコインが国家戦略に組み込まれつつあるという新たなフェーズに突入したことを意味します。これは、今後の価格形成において非常に強力な支援材料になる可能性があります。

総じて、ARKの予測はビットコインの長期的可能性を象徴するものとして非常に興味深く、今後の動向を注視していくべきテーマであると考えています。