ビットコインとイーサリアムETFがロンドン上場──Bitwiseが英市場へ本格参入

米資産運用会社Bitwise(ビットワイズ)が、ビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)に連動する4つの暗号資産ETP(上場投資商品)をロンドン証券取引所に上場させた。暗号資産のグローバル金融市場への浸透が進む中、欧州市場における機関投資家の需要取り込みを強化する動きとみられる。

ただし、これらの商品は英国内の個人投資家には提供されず、機関投資家または認定投資家のみが取引可能とされている。

目次

ロンドン上場のETPは4本構成──ステーキング型イーサETFも登場

Bitwiseが上場したのは以下の4つのETPである。

  • Bitwise Core Bitcoin ETP
  • Bitwise Physical Bitcoin ETP
  • Bitwise Physical Ethereum ETP
  • Bitwise Ethereum Staking ETP

中でも注目されるのは「Bitwise Ethereum Staking ETP」であり、イーサリアムのステーキング報酬を組み込んだ商品が欧州市場で上場されるのは異例である。これにより、機関投資家はETHを保有しながら追加収益を得られる設計となっており、資金流入の新たな受け皿として期待されている。

Bitwiseは今回の上場について、「暗号資産という新興資産クラスの金融商品としての信頼性が高まりつつある中、欧州でも機関投資家の関心が急速に高まっている」と述べている。

米国でもETF申請を加速──ドージコインやアプトスETFも視野に

Bitwiseは、今年1月にSEC(米証券取引委員会)からビットコインおよびイーサリアムに同時に投資できるETFの予備承認を獲得しており、現在は最終承認を待っている状態である。

また、3月にはニューヨーク証券取引所が「BitwiseドージコインETF」の上場ルール変更を申請。承認されれば、ドージコインは米国で初めてETF化されるミームコインとなり、さらなる機関投資家の関心を集める可能性がある。

さらに同社は、レイヤー1ブロックチェーン「Aptos」のネイティブトークンAPTを対象としたETFも申請済み。こちらはステーキング報酬は含まれない設計であるが、次世代ブロックチェーン銘柄への投資ニーズを想定している。

BitwiseのCIOマット・ホーガン氏は、「2025年だけでビットコインETFに500億ドルの資金流入が見込まれる」と予測しており、今後のETF市場拡大に強気な姿勢を示している。

GENAIの見解


GENAI

Bitwiseによるロンドン証券取引所へのETF上場は、暗号資産の「制度化」がいよいよ本格化してきたことを象徴する重要な出来事であると考えます。

まず、ビットコインやイーサリアムを対象としたETFが米国だけでなく欧州でも上場され始めたことは、暗号資産がもはや「投機対象」ではなく、「正当な金融商品」として扱われる段階に入ったことを意味します。特にロンドン証券取引所のような世界的に信頼性の高い取引所での上場は、グローバルな機関投資家の関与を一層加速させるでしょう。

また、Bitwiseがステーキング報酬を組み込んだイーサリアムETF(Ethereum Staking ETP)を上場させた点は非常に革新的です。これは単なる価格連動型のETFとは異なり、ブロックチェーンのネットワークインフラに直接参加しながら、運用益も得られるという「アクティブ型」の運用設計であり、暗号資産の金融商品としての可能性を大きく広げるものだと評価できます。

一方で、現時点では英国の個人投資家がこれらのETPにアクセスできない点は課題です。ただし、機関投資家を起点とした信頼性の確立と市場の整備は、最終的に個人投資家への門戸開放につながる流れといえるでしょう。

さらに注目すべきは、Bitwiseが今後ドージコインやアプトスといった新興銘柄にもETF化を進めていることです。これは単なる主要銘柄に留まらず、多様なユースケースやトークン経済圏を支えるプロジェクトへの資本流入を可能にし、暗号資産市場の裾野を広げる取り組みと言えます。

結論として、今回のロンドン上場はヨーロッパ市場におけるETF時代の幕開けとも言える重要な一歩であり、暗号資産が従来の金融資産と並び立つ存在として本格的に認識され始めている証拠です。今後、他の資産運用会社や地域でも類似の動きが加速することは間違いなく、暗号資産のグローバルな地位向上にとって極めてポジティブな材料であると考えています。

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