
ブラックロック、ビットコインETFをモデルポートフォリオに正式採用──約1,500億ドル規模の新投資戦略

世界最大級の資産運用会社として知られるブラックロック(BlackRock)は、2025年3月1日付のブルームバーグ報道によって、自社が管理するモデルポートフォリオの一部にビットコインを組み入れる方針を明らかにしました。該当ポートフォリオは約1,500億ドル(日本円にしておよそ20兆円)規模とされ、資産運用業界の中でも非常に大きな存在感を持ちます。
ブラックロックは、ビットコインETF「IBIT」(iShares Bitcoin Trustの通称)をポートフォリオの1~2%程度に加える計画であり、具体的な導入時期や運用方針については数ヶ月以内に詳細を発表するとしています。これまでも同社はビットコインをはじめとする暗号資産に対して研究姿勢を示してきましたが、ここまで具体的なアクションを表明したのは今回が初めてです。
市場関係者の多くは、世界最大級の資産運用会社がビットコインを正式に組み入れることで「デジタル資産が機関投資ポートフォリオの一部として認められる可能性が高まった」と見ています。さらに、米国ではトランプ政権下で暗号資産に対する規制緩和や推進策が相次いで発表されているため、ブラックロックの決定はその流れを後押しする形となると分析されています。
これまで暗号資産市場では価格のボラティリティや、規制の不透明感が懸念材料としてしばしば取り沙汰されてきました。しかしブラックロックは「長期的視点に立った時、ビットコインにはリスク分散の手段として注目すべき特性がある」との見解を示しています。特に株式・債券・コモディティなどの伝統的な金融商品と相関関係が薄い点に着目し、適切な比率で組み入れることでポートフォリオ全体のリスク・リターン特性が改善すると期待されているようです。
アナリストの間では、このニュースが「2025年は機関投資家によるビットコイン需要が顕在化する転換点になる」との見方も広がっています。実際、報道後の数日間でビットコイン価格は大きく反発し、再び注目を集める状態に。今後、他の大手運用会社が同様のETF採用に動くかどうかが焦点となり、資産運用業界全体の暗号資産受容が一段と加速する可能性も指摘されています。