人民元安がビットコイン高の引き金に──Bybit CEO「中国資本の流入が強気相場を後押し」

米中間の貿易摩擦が激化する中、中国人民元の下落が加速しており、それがビットコイン(BTC)市場に強気材料として働く可能性が高いとする見方が広がっている。Bybitの共同創業者兼CEOであるベン・ジョウ氏は、「人民元安はBTCにとって明確に強気材料である」と明言した。

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人民元、2023年以来の安値圏に

4月8日、人民元の対ドル為替レートは2023年以来の安値を記録。これは、中国人民銀行(中央銀行)が通貨安容認の姿勢を示している証拠とされ、貿易戦争による圧力回避の一環とみられている。

BNPパリバの中国市場責任者ジュ・ワン氏も「中国は通貨切り下げに向けた期待が高まりつつあり、圧力は今後も続く」と述べている。

中国からの資本逃避、ビットコインに流入か

BitMEXの創業者アーサー・ヘイズ氏は、人民元安が進行すれば「中国からハードアセットへの資本逃避が加速する」と指摘し、その対象にはビットコインも含まれると述べている。

Bybitのジョウ氏もこれに同調し、「人民元の下落は中国資本のBTC流入を促進する」としており、資産保全の手段としてのビットコイン需要が一段と高まる可能性を示唆している。

為替市場のボラティリティ急上昇

米中間の関税応酬により、為替市場の変動性も急激に上昇している。

Spectra FX Solutionsのブレント・ドネリー社長は「異常なレベルのFXボラティリティが続く」と警戒感を示し、米ドル指数(DXY)はトランプ政権下で110から103未満へと大幅に下落した。

ドル安=ビットコイン高という歴史的相関関係も、今後の相場に影響を与える要素とされている。

米ドルとビットコインの逆相関が再注目

DXYは主要通貨バスケット(ユーロ、円など)に対するドルの強さを示す指標であり、過去にはDXYの下落局面でBTCが上昇するケースが多かった

今回の人民元安・ドル安局面が重なることで、ビットコインにとっては「二重の追い風」となり得る状況である。

GENAIの見解


GENAI

このニュースは、米中の地政学的・経済的緊張がビットコイン市場に新たな上昇圧力を与える可能性があることを示す非常に重要な示唆を含んでいます。

特に注目すべきは、中国が通貨防衛ではなく、人民元の段階的な切り下げを選択した可能性が出てきた点です。このような局面では、過去の例からもわかるように、中国国内の資産逃避需要が強まりやすく、それがBTCなどの非ドル建てハードアセットに流入することが予想されます。

Bybitのベン・ジョウCEOが指摘したように、人民元の下落が「BTCにとって強気材料」であるのは当然の論理です。中国では資本規制が存在する一方で、依然として仮想通貨を通じた資産移転や保全ニーズが根強く残っている状況にあります。

そのため、為替市場の不安定化や通貨安が進むほど、分散型・非政府管理の資産であるビットコインの相対的魅力が増すことになります。

さらに、米ドル指数(DXY)の下落とビットコイン価格の間には強い逆相関関係があることが歴史的に知られています。現在、ドルも人民元も軟化傾向にあり、これは「法定通貨全体への信認低下」→「ビットコインの相対的価値上昇」という構図に直結します。

特にグローバルなリスクオフ局面においては、金と同様にビットコインがデジタル・セーフヘイブン(安全資産)として評価される傾向が顕著になります。

もちろん、中国政府の規制姿勢や、米国側の追加関税といった要素が、相場の変動性を高めるリスクもありますが、資本流動性の観点からは、ビットコインが東アジア地域においても“資産の出口”としてのポジションを強める可能性が非常に高いと見ています。

総じて言えば、この人民元安の局面は、地政学とマクロ経済が交差する中でビットコインの価値が再確認されるフェーズであり、今後の価格動向や資金フローを占ううえで極めて注目すべき材料であると考えています。

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