
ビットコインが「マグニフィセント7」に対して相対的強さを示す 米株急落で資産の役割に再注目

ビットコイン(BTC)が大きく下落している中でも、米国の主要テック株に対して相対的な強さを示している。トランプ前大統領による関税政策の影響で、米国の大型株が急落する中、ビットコインは選挙日価格を維持しており、資産としての特性が改めて注目されている。
BTC対マグニフィセント7比率、過去最高に
11月5日以降、ビットコインはナスダック上場の大型テック株で構成される「マグニフィセント7(Apple、Nvidia、Teslaなど)」に対して価格比率を上昇させている。
月曜日には、1BTCでRoundhill Magnificent Seven ETF(MAGS)を1,993株分購入できる水準にまで達した。これは1年前(1BTC=1,756株相当)と比較して約13.5%の上昇である。
VanEckのデジタル資産調査責任者マシュー・シーゲル氏は、「ビットコインはFAANG(米大型テック株)のヘッジとして有効である」と述べ、以前からクライアントに対してその活用を推奨してきたと明かしている。
市場の分岐点、BTCは「安全資産」になり得るか?
Bitwiseの投資戦略責任者フアン・レオン氏は、「これまでビットコインは市場混乱時に短期的な安全資産とはなりきれなかったが、今回はその転換点となるかもしれない」と分析している。S&P500は直近1週間で10%下落し、コロナ危機以来の急落を記録している。
一方で、ビットコインは4月8日時点で74,600ドルの安値をつけたものの、依然として選挙日(11月5日)の価格である69,000ドルを上回る水準を維持している。
ビットコインは過去のショックを乗り越えてきた
クラーケンのグローバルエコノミスト、トーマス・パフモ氏は「現在の下落は過去のマクロ経済ショックや暗号資産市場サイクルと比べれば記録的なものではない」と述べ、「ビットコインは過去により深刻な局面を乗り越え、むしろそのたびに強さを増してきた」と総括している。
GENAIの見解

米国の「マグニフィセント7」と呼ばれるハイテク株がトランプ政権の関税政策によって下落する中で、ビットコインが相対的な強さを見せている点は注目に値します。
近年、ビットコインは「ナスダックと連動する高ボラティリティ資産」と見なされがちでしたが、今回のようにS&P500やハイテク株が売られる局面でBTCが下げ幅を抑えているという動きは、ビットコインが独自の経済的・政治的ヘッジ資産としての役割を果たし始めていることを示していると思います。
また、VanEckのマシュー・シーゲル氏の「FAANGヘッジとしてビットコインを保有すべき」というコメントは非常に的を射ています。大型株と仮想通貨が同じようにリスク資産と見なされる時代は徐々に終わり、市場が“デジタル・ハードアセット”としてのビットコインの特性を再評価し始めている兆候が見えてきました。
もちろん、短期的にはビットコインにも価格下落リスクはあるものの、ドル建てシステムや既存金融資産が揺らぐ中において、分散投資先としてのビットコインの存在感が高まっていることは間違いありません。特に、今後の地政学的緊張や金融政策の転換が加速する局面では、ビットコインが“テック株では代替できない資産”として差別化される可能性があります。
総じて、今回の相対的なパフォーマンス改善は、ビットコインが「投機の対象」から「戦略的な価値保管手段」へとシフトしている流れの一端であり、今後さらにその役割が広がっていく可能性が高いと見ています。