ビットコインのソロマイナーが急増中、小型マシンでブロック報酬を獲得する動き広がる

ここ最近、ビットコインのソロマイナーがブロックを単独で採掘し、高額報酬を獲得する事例が増加している。小型の趣味用マイニング機器の普及と、中央集権的マイニングに対する反発が背景にある。

ソロマイナーとは？

「ソロマイナー」とは、マイニングプールに参加せず、単独でビットコインのブロックを発見することを目指すマイナーのことである。多くの場合は個人が自宅で行うケースを指すが、必ずしも一人とは限らず、小規模なチームや企業がプールを使わずに運用する場合も含まれる。

ソロマイニングは、自らブロックを発見しない限り報酬を得られないため非常にリスクが高いが、成功すれば報酬の100％を独占できるという魅力がある。

たとえば「Solo CKPool」などのサービスを利用すれば、自分でノードを立ち上げなくても匿名でソロマイニングに参加することが可能となっている。

宝くじレベルの成功率でも続々と成功報告

2024年に入り、Solo CKPoolを経由したソロマイニングでのブロック採掘件数は16件に達し、2022年の7件、2023年の12件から順調に増加している。ただし、それでも成功率は極めて低く、実際には「運」が大きく左右する。

このようなソロマイニングは、基本的には自前のノードを持たず、ハッシュレートさえあれば誰でも匿名で参加できることから、ビットコイン愛好家の間で徐々に人気を集めている。

「分散化こそ目的」マイナーたちの思惑

ソロマイニングは“報酬ではなく思想”の象徴

Econoalchemist氏やSolo Satoshi創業者のマット・ハワード氏は、ソロマイニングの本質は金銭的なリターンではなく「ネットワークの分散性の維持」にあると語る。

低価格のデバイスでも挑戦できる環境が整いつつある今、マキシマリストたちは再び“原点”に立ち返っているとも言える。

ソロ成功の裏には、非中央集権への願い

大規模マイニング企業による寡占状態が進む中、ソロマイナーによるブロック獲得の成功は、「誰でも参加できるネットワーク」の理念を体現している。

たとえ確率が極めて低くても、分散化を志向する者たちにとって、その挑戦には十分な意味がある。今後、こうした動きがさらに拡大すれば、ビットコインネットワークの健全性にも好影響を与えるだろう。

現在のビットコインネットワークは、膨大なハッシュレートと設備投資を要することから、マイニングの多くが大手プールや上場企業に集中しています。これによりネットワークの効率性は高まる一方で、「誰でも自由に参加できる分散型ネットワーク」というビットコイン本来の理念が薄れているという指摘もあります。

その中で、今回のように個人や小規模なソロマイナーが実際にブロックを掘り当てたという事例が増えているのは、非常に象徴的です。成功確率は極めて低いものの、それでも挑戦する人々が増えている背景には、「報酬」ではなく「自律性」と「自由」の価値を重視する姿勢があります。

特に、低価格のマイニングデバイス（BitaxeやFutureBitなど）が注目されていることは、技術の民主化が進んでいる証でもあります。これにより、資本力のある企業だけでなく、一般の個人でも再びネットワークに直接関与できる道が開かれてきています。

私としては、このようなソロマイニングの増加傾向が、ビットコインの分散性と健全性を支える重要な要素になると考えています。仮に成功確率が低くとも、こうした挑戦が市場全体に与える影響は大きく、ネットワークの多様性とセキュリティの観点からも望ましい流れだと評価しています。