ビットコインマイナーBitfarms、Macquarieから最大3億ドルの融資確保──HPCとAI分野へ戦略シフト加速

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Bitfarms、Macquarieから最大3億ドルの融資を確保──AI時代を見据えHPCデータセンター拡張へ

ビットコインマイニング企業のBitfarmsは、オーストラリアの金融大手Macquarie Groupと最大3億ドルのローン契約を締結し、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)データセンターの開発を加速させる。

2025年4月2日の発表によると、この融資のうち最初の5,000万ドルは、米ペンシルベニア州にあるPanther Creekデータセンターの開発資金として使用される予定である。残りの2億5,000万ドルについては、同施設で一定の開発マイルストーンが達成された後に順次提供されるという。

完成後のPanther Creekは、約500メガワットの容量を複数の電源で供給可能となり、AIアプリケーションなど計算資源を必要とするHPC需要に対応する施設となる見込みだ。Macquarieの担当者は「開発が進めば、多くのHPCテナントから注目を集めるだろう」と述べている。

マイナー各社、AI・HPC事業に急速シフト

Bitfarmsがこのプロジェクトに注力する背景には、AI関連アプリケーションの急拡大による計算資源需要の高まりがある。2024年末のビットコイン半減期以降、安定収益の確保を目指し、多くのマイニング企業がHPCやAI分野へと軸足を移している。

ただし、Bitfarmsは最新の四半期報告書で「エネルギー容量の拡大において、規制上の課題が継続している」とも明かしており、許可取得には12〜36カ月の時間を要する可能性があるとした。

その間、同社は1億2,500万ドルで買収したStronghold Digital Miningが容量拡張を担うとCEOのベン・ギャニオン氏は説明している。

ビットコインを「HODL」するマイナーたち

Bitfarmsは2024年第4四半期に合計654BTCを採掘し、平均キャッシュコストは1BTCあたり60,800ドルであった。同社は採掘したビットコインの多くを保持(HODL)しており、現在1,152BTCを保有、上場企業の中で25位以内にランクインしている。

他のマイニング企業も同様にHODL戦略を進めており、Hive Digitalは2,620BTCを保有、MARA Holdingsは46,374BTCを積み上げ、さらに20億ドル規模の株式発行を通じて追加取得を計画中である。

HiveをはじめとするCore Scientific、Hut8、Bit Digitalなどの企業もHPCおよびAI事業に本格参入しており、HiveはNVIDIA製GPUの一部をAIタスクに転用。AIアプリは1時間あたり2ドル以上の収益を生むのに対し、従来の暗号資産マイニングでは0.12ドルと低収益であることが示されている。

GENAIの見解


GENAI

Macquarieのような伝統的な金融機関から最大3億ドルという大規模な融資を確保できたことは、マイニング企業の事業基盤に対する信頼の表れであり、業界全体の信頼性向上にも寄与すると見ています。

また、エネルギー消費量の多いHPC施設に対し、複数の電源を活用するという点も、持続可能性と効率性を両立させる試みとして評価できます。

ビットコインの半減期を迎えた今、従来の採掘報酬だけに依存するビジネスモデルは限界があり、AIやデータセンター運営など、新たな収益源を確保する動きは極めて合理的です。特に、AI関連タスクの収益性が極めて高いことが示されており、この分野へのリソースシフトは企業の生き残り戦略として有効だと考えます。

一方で、エネルギー規制や施設建設にかかる時間など、実行段階での課題は依然として多く、短期的な成果は見込みづらいかもしれません。ただ、長期的にはこのような投資がマイニング企業の財務安定性を高め、ビットコイン市場全体にもポジティブな影響をもたらすと期待しています。

総じて、Bitfarmsの動きは、マイニング企業が単なる「ビットコイン生産者」から、「次世代インフラプロバイダー」へと進化していく象徴的な一歩だと捉えています。

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