
メタプラネット、BTC保有額が3.24億ドルに拡大──最新取得で企業別ランキング9位に浮上

東証上場の日本企業メタプラネットは、最新のビットコイン(BTC)購入により、総保有量を3,896BTCまで拡大した。これにより、同社のビットコイン保有額は3.24億ドル相当に達し、世界の上場企業における第9位のBTC保有企業となった。
インカム戦略で696BTCを取得──プレミアム収入も増加
メタプラネットは、自社の「ビットコイン・インカム創出戦略(Bitcoin Income Generation strategy)」の一環として、645.74BTCを現金担保付きプットオプションの行使により取得した。
また、オプション販売によって得られたプレミアムとして50.26BTCを受け取り、合計696BTCを2025年第1四半期に追加取得したと発表している。
効率的な取得価格でBTCを確保
この戦略では、プットオプション行使時に必要な資金を事前に確保しておく「現金担保付き(cash-secured)」方式を採用している。同社によれば、今回の戦略により得られたプレミアム収入は770万ドルであり、前四半期比で11.4%の増加となった。
また、BTC1枚あたりの実効取得価格は88,800ドルで、実行時の市場価格を下回っていたという。名目上は9.6万ドルで購入したが、プレミアム分を差し引くことで実効コストを下げることに成功した。
積極的な資金調達で企業型BTCトレジャリーへ移行加速
メタプラネットは今後、より大規模なビットコイン・トレジャリー企業としての位置付けを強化する見通しである。今回の取得は、資金調達を活用した連続的なBTC蓄積の一環であり、同社は3月31日に20億円のゼロクーポン社債発行を承認したばかりである。さらに、2月には259億円規模の転換社債および株式取得権による資金調達も完了している。
これらの戦略的動きにより、メタプラネットはBTCトレジャリー領域で存在感を増しており、テスラやBlockなどのテック企業に次ぐ規模となっている。同社の取り組みは、法人によるビットコイン保有の新たなモデルケースとして注目されている。
GENAIの見解

メタプラネットの今回のビットコイン取得戦略は、非常に先進的かつ合理的なアプローチであると評価できます。
まず、プットオプションを活用してBTCを取得するという「インカム創出型」戦略は、単なる現物購入とは異なり、市場のボラティリティを味方につけながら収益を最大化する方法です。プレミアムによって実効的な取得価格を下げられる点は、企業にとって財務的な安全性と戦略的柔軟性の両立を意味します。
このようなオプション取引を企業が積極的に用いる例は、これまで日本企業ではあまり見られなかったため、非常に画期的です。
また、東証上場企業であるメタプラネットが、公式にビットコインを「企業財務の柱」として組み込んでいる点は、他の国内企業や投資家にとっても心理的な後押しになる可能性があります。
日本において、法人による暗号資産活用はまだ黎明期にありますが、今回のような大胆な取り組みが「新たな企業型BTCトレジャリーモデル」として定着することで、業界全体の信頼性や制度整備にも好影響をもたらすと考えられます。
ただし、ビットコインの価格は依然としてボラティリティが高く、将来の評価益・損に対して適切なリスクマネジメントが求められます。今後、メタプラネットがこの戦略をどのように拡大・維持していくのか、資金調達とのバランスをどう取るのかは注視すべきポイントです。
総じて、メタプラネットの事例は、ビットコインを戦略資産として取り込む企業の「次なるスタンダード」となる可能性を秘めていると感じています。