
Galaxy Digitalがイーサリアムを大量売却、ソラナへ資産移動──約1億ドル相当のポートフォリオ再編が判明

暗号資産投資会社**Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)が、レイヤー1ブロックチェーンであるイーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)のネイティブトークン間で大規模な資産スワップを実施していたことが、オンチェーン分析プラットフォームLookonchainのデータにより明らかとなった。
約1億ドルのETHをバイナンスに入金、同額相当のSOLを出金
Lookonchainによれば、Galaxy Digitalは過去2週間の間に、合計65,600ETH(約1億548万ドル相当)をバイナンスへ入金し、その代わりに752,240SOL(約9,837万ドル相当)を同取引所から出金していたことが確認された。
これにより、同社は事実上、ETHからSOLへの資産配分を大きくシフトさせた形となる。
米国によるビットコイン購入の可能性を示唆、SBR構想とも関係か
Galaxy Digitalのリサーチ部門責任者であるアレックス・ソーン氏は、同時期に米国政府がビットコイン(BTC)を購入し、「戦略的ビットコイン準備金(SBR)」に追加する可能性についても言及している。SBRは2025年3月に創設された国家レベルの仮想通貨備蓄制度である。
ソーン氏は、「米国政府は、現金を使用せずに押収済みのアルトコインを売却し、そのペアでBTCを取得することが可能である」とし、実質的に財政中立的な方法でSBRにビットコインを追加できる可能性を指摘した。
「たとえば、アルトコイン/BTCペアで売却すれば、現金は一切関与しない。米財務省の予算に影響を与えることなく、SBRの約束を果たせる」と同氏は述べた。
GENAIの見解

Galaxy Digitalは機関投資家やプロ向けの資産運用会社として高い信頼を誇っており、そのポートフォリオ調整は単なる価格変動に基づく短期的判断ではなく、中長期的な価値評価に基づいた戦略的選択と見られます。
今回の動きは、ETHを1億ドル以上売却し、同規模でSOLを取得したという点からも、その意図とインパクトの大きさがうかがえます。
特に注目すべきは、EthereumとSolanaというレイヤー1同士の明確な対比が生まれている点です。Ethereumは堅牢で実績あるネットワークである一方、ガス代の高さやスケーラビリティの問題を抱えています。一方、Solanaは高速かつ低コストな取引性能を持ち、NFT、GameFi、ステーキング分野での実用性が評価されており、アプリケーション層での採用が加速している状況です。
また、Galaxy側の動きが米国政府の「戦略的ビットコイン準備金(SBR)」構想と連動している可能性が示唆されている点も興味深いです。仮に政府が押収したアルトコインを売却してビットコインに交換する動きがあるとすれば、市場全体がよりビットコインとソラナのような機能性の高いチェーンに収束する構図が見えてきます。
さらに、ETHの価格が過去最高値から67%下落している中、SOLは52%の下落にとどまっており、機関投資家の中でもSolanaの「回復力」や今後の成長性に注目が集まっていることが読み取れます。これは資金流入にも影響を与え、他のファンドや企業による「ETH→SOL」戦略の波及も考えられます。
結論として、今回の動きは単なる資産入れ替えではなく、レイヤー1エコシステムの覇権争いにおける大きな転換点であると考えます。今後、ETHがどのようにネットワークアップグレードやL2との連携で優位性を保つか、あるいはSOLが主流基盤として市場を拡大するか、両者の技術進化と資金フローの継続的な観察が不可欠です。