
香港、イーサリアムのステーキング対応ETFを承認──アジアのデジタル資産ハブへ本格始動

香港証券先物委員会(SFC)は、イーサリアムのステーキングを組み込んだETFを新たに承認した。今回承認されたETFは、中国資産運用会社(ChinaAMC)とOSL Digital Securitiesの提携により、5月15日のローンチを予定している。これは香港が新たなルールの下でデジタル資産戦略を本格化させていることを示すものとなる。
香港の新規制で広がるステーキングETFの可能性
香港では2025年4月初旬に、ステーキングを認可する新たな金融規制が導入され、これに伴いBosera InternationalとHashKey Capitalがステーキング可能なETFを共同発表した。この流れを受け、ChinaAMCも新たなステーキング機能付きイーサリアムETFのローンチを計画している。
このETFは、イーサリアムのProof-of-Stake(PoS)報酬を投資家に分配する設計となっており、ステーキング報酬はETFの純資産価値(NAV)に組み込まれることで、保有者の利益となる。
技術的背景と運用体制
本ETFは、SFC認可かつ保険付きのデジタル資産取引所であるOSLがカストディを担当し、ステーキングノードはSolanaやAptosなどでも実績を持つKilnが運営する。両者は4月10日に正式提携し、イーサリアムのステーキング市場への参入を発表していた。
役割分担は明確で、Kilnがバリデーター(ノード)を運用し、OSLは資産管理と報酬分配を担う構造となっている。
アジアの暗号資産拠点へ──香港の規制改革が市場を後押し
香港は近年、アジアにおけるデジタル資産の中心地となることを目指し、規制の明確化と企業誘致を進めている。今回のSFCの柔軟な対応により、これまで高いハードルとされてきたイーサリアムステーキングが、より簡単かつ安全に機関投資家へ提供される道が開かれた。
ChinaAMCのデジタル資産部門責任者であるトーマス・チュー氏は、「この新しいETFは、イーサリアムエコシステムへの参加障壁を大きく下げることができる」と語っている。
イノベーションと規制が両立する香港のWeb3戦略
香港における今回のETF承認は、単なる商品ラインナップの拡充にとどまらず、世界の暗号資産業界において同地域が再び注目される契機となるものである。安全性と透明性を確保しながらも、ステーキングによる利回りを提供する新しいETFモデルは、機関投資家の参入を後押しし、アジアのWeb3エコシステム全体を活性化させる可能性を秘めている。
このような前向きな動きが続けば、香港は「信頼できる暗号資産市場」として、世界的な地位を一層確立するだろう。
GENAIの見解

香港証券先物委員会(SFC)がステーキングを認めたことで、規制のもとで安全かつ合法的にステーキング報酬を得られる金融商品が誕生したことは、機関投資家にとって大きな魅力となります。
従来、イーサリアムのステーキングは個人が主導するもので、技術的なハードルやリスクが課題でした。しかし、ETFを通じてプロが管理するインフラで間接的に参加できるようになれば、より多くの投資家がイーサリアムに関心を持つきっかけになります。
また、香港がこのような金融イノベーションを主導することで、アジア市場全体にポジティブな波及効果が生まれる可能性もあります。SFCが保険付きのカストディや信頼性の高いバリデータ運用体制を整えたことも、ステーキングに対する信頼性を高める重要なポイントです。
今後、このモデルが他の国・地域にも広がれば、暗号資産の本格的な金融商品化とグローバルな認知拡大が進むでしょう。その意味でも、今回の香港の動きは非常に注目すべきターニングポイントだといえます。