ソラナの現物ETFがカナダで初上場へ、米国に先駆けステーキング運用も実現

カナダでソラナ(SOL)の現物ETFが2024年4月16日に正式に上場する予定であることが明らかになった。ブルームバーグのアナリスト、エリック・バルチュナス氏によると、これらのETFにはソラナのステーキング運用も組み込まれる見通しであり、暗号資産ETFの新たなフェーズに突入しつつある。

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カナダで複数のソラナETFが承認、ステーキング収益も視野に

カナダの金融機関であるTD銀行が顧客向けに送付したメモによれば、オンタリオ証券委員会(OSC)は、Purpose、Evolve、CI、3iQといった資産運用会社に対し、現物ソラナETFの発行を承認した。これらのETFはSOL保有分の一部をステーキングすることも許可されており、インカム型ETFとしての側面も併せ持つ。

カナダには連邦レベルの証券規制機関が存在せず、各州が独自に証券法を適用している。今回のETFは、トロントを拠点とするOSCの規制下で取引される予定である。バルチュナス氏は「これはアルトコインETF競争の幕開けとなる」と述べており、ビットコイン・イーサリアム以外の銘柄が制度的商品として拡大していく可能性を示唆している。

米国では承認停滞中、SOLへの関心と需要には温度差も

ステーキング承認も依然遠く、需要には懐疑的な声も

一方で、米国証券取引委員会(SEC)は、現物ビットコインおよびイーサリアムETFは承認しているものの、ソラナなどのアルトコインETFについては、未だ承認に至っていない。

特に、ステーキングを伴うETFの承認には慎重姿勢を崩しておらず、イーサリアムETFですら、ステーキング解禁は「早くても5月以降」との見方が示されている。

さらに、暗号資産銀行Sygnumのリサーチ責任者カタリン・ティッシュハウザー氏は「ETFに対する市場の期待感は過熱しているが、実際にどこから需要が来るのかは明確ではない」と指摘しており、SOL ETFの実需には疑問符を投げかけている。

実際、今年3月に米国でローンチされた先物型のソラナETF(SOLZ)は、上場後も約500万ドルの純資産しか集まっておらず、投資家の関心は限定的であるとみられている。XRPの2倍レバレッジETFがそれを上回る規模を短期間で達成していることからも、投資家がアルトコインETFをどう評価しているかが浮き彫りとなっている。

GENAIの見解


GENAI

ソラナ(SOL)の現物ETFがカナダで正式に上場されるという動きは、暗号資産市場における「制度化(インスティテューショナライゼーション)」の流れがアルトコイン領域にも波及していることを示す、非常に重要なマイルストーンであると考えております。

特に注目すべきは、今回のETFに「ステーキング機能」が組み込まれている点です。従来のETFは単なる価格の追随を目的とした商品でしたが、ステーキングによって保有資産から利回りを得られる構造になることで、インカム型の運用先として新たな魅力を持つ商品に進化しています。これは、投資家にとって「暗号資産を持つだけではなく、運用する」という価値提案をETFの枠組みで実現できることを意味します。

また、カナダはこれまでもビットコインやイーサリアムの現物ETFで米国より先行してきた実績があり、今回もその「制度金融の実験場」としての役割を果たしているように見えます。こうした実績は、今後の米国SECによるETF審査にも間接的な影響を与える可能性があり、長期的には米市場への波及効果も期待できるでしょう。

一方で、SOLに対する投資家の関心が必ずしも高いとは言えない現状も見逃せません。米国で既に上場している先物型ソラナETFの資産規模が500万ドル前後と低調であることからも、機関投資家やリテールがアルトコインETFに対して慎重なスタンスを取っていることがうかがえます。

今後の需要は、価格の回復やユースケースの明確化、または規制の安定性次第で変動する可能性があると見ています。

総じて言えば、今回のソラナ現物ETF上場は、暗号資産の中でもビットコイン・イーサリアム以外の資産に対する「制度的評価」が進み始めている証であり、今後の市場拡大や商品多様化に向けた試金石となる動きだと捉えております。

特にステーキングという要素が今後のETF市場にどのようなインパクトを与えるのか、引き続き注視する必要があるでしょう。

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