
米TeucriumがXRPの2倍レバレッジETFをNYSEに上場へ、スポットETFに先行

米国の資産運用会社Teucrium Investment Advisorsは、リップル社の暗号資産XRPに連動する2倍レバレッジ型のETF(上場投資信託)「XXRP」を、4月8日にNYSE Arcaで上場すると発表した。
これは米国で初めてのXRP連動ETFとなるが、スポット型ETFではなく、レバレッジ型が先に市場投入される極めて異例の展開である。
XRPスポットETFを待たずに“2倍型”が登場
ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏はこのニュースについて、「新規資産のETFが最初にレバレッジ型で出るのは非常に珍しい」とXで指摘。
スポットXRP ETFがまだ承認されていないにもかかわらず、短期取引を前提とした2倍のパフォーマンスを目指す金融商品が先行する状況となった。
運用会社は1.85%の管理手数料を設定
Teucriumは、XXRPがXRPの1日の価格変動の2倍のリターンを目指す商品であり、あくまで短期トレード向けであることを強調している。
加えて、XRP市場の価格ボラティリティや利用率の減少がETFのパフォーマンスに影響を及ぼすリスクとして明記されている。運用手数料は**年率1.85%**に設定されている。
XRPスポットETFは依然審査中、申請は続々
現在、WisdomTree、Bitwise、21Shares、Canary Capital、フランクリン・テンプルトンなど複数の資産運用会社が、SECに対してXRPスポットETFの申請を提出している。
SECはすでに複数の申請を受理しており、今後数カ月以内に市場に新たなXRP関連金融商品が登場する可能性がある。
トランプ政権下で加速するETF市場、SECも方針転換
今回のETF上場は、2024年1月のビットコイン現物ETF承認を皮切りに、アルトコイン連動ETFへの関心が急増する中で実現された。
2025年1月に就任したトランプ大統領のもと、SECが暗号資産規制に柔軟姿勢へと方針転換したことも、ETF関連申請の活発化を後押ししている。
なお、TeucriumのETFローンチは、SECが3月にXRPの発行元であるリップル社に対する長年の訴訟を終了させ、5,000万ドルの罰金支払いで和解した直後のタイミングである。
GENAIの見解

注目すべき点は、現物型(スポット)のXRP ETFがまだ承認されていない中で、2倍レバレッジ型ETFが先に市場に登場したことです。
これは、米国証券取引委員会(SEC)がこれまでに見せてきた慎重なスタンスからの大きな転換点を示唆している可能性があります。
Teucriumのような伝統的な資産運用会社が、あえてXRPのようなアルトコインに対してレバレッジ型ETFというリスクの高い商品を投入した背景には、投資家の暗号資産への関心の高まりと、政策面での追い風があると見ています。特に、トランプ大統領の政権下で進む暗号資産に対する規制緩和の流れが、今後さらなる商品開発を促進する可能性があります。
一方で、現物ETFよりも先にレバレッジ型が承認されるという異例の構造には、慎重な姿勢も必要です。というのも、レバレッジETFは本質的に短期トレード向けの商品であり、投資家保護という観点からも、そのリスクは明確に理解されるべきです。ボラティリティの高いXRPに2倍のレバレッジがかかれば、短期間での損益変動が極端になる可能性も否定できません。
それでも今回の動きは、XRPを含むアルトコインのETF化がいよいよ本格化していく前兆であり、今後ソラナ(SOL)やライトコイン(LTC)など他の主要アルトコインにも波及していく可能性が高いと考えられます。これは暗号資産が“投機対象”から“制度化された投資対象”へと成熟していくプロセスの一部であり、マーケットにとってポジティブな展開だと言えるでしょう。
総じて、今回のXRPレバレッジETFの上場は、今後の現物ETF承認や、暗号資産の資本市場への本格的な統合を見据えた重要な布石となる可能性があると強く感じています。