
イーサリアム大型アップグレード「Pectra」、技術課題克服し5月7日に実施決定 スケーラビリティ強化やガス代の柔軟化も

イーサリアムは、2022年のPoS(プルーフ・オブ・ステーク)移行以降で最大級のアップグレードとなる「Pectra」を、2025年5月7日にメインネットで実施することを正式に決定した。当初は3月の導入が予定されていたが、Holeskyテストネットでのファイナリティ問題により延期されていた。
その後、新たに構築されたHoodiテストネットでは大きな問題なく稼働しており、3月初旬にSepoliaテストネットで発生した軽微な不具合も修正済みである。開発チームは3月10日にHolesky上でのファイナリティを確認しており、技術的な障壁は解消されたとみられる。
スケーラビリティとガス代柔軟化が主な改良点
今回のアップグレードでは、ネットワーク全体のスケーラビリティ向上に加え、バリデーターのステーキング上限が32ETHから2,048ETHへと大幅に引き上げられる見通しである。これにより、大口ステーカーの参加がより柔軟になると期待されている。
また、「アカウント抽象化(Account Abstraction)」と呼ばれる新機能の導入により、ETH以外のトークン、例えばステーブルコインでガス代を支払えるようになる。この機能は、ユーザー体験を大きく向上させるとともに、ウォレットの機能拡張やソーシャルリカバリー(ウォレット復旧支援機能)といった利便性強化の道を開くものとされている。
市場反応は冷静、短期的な下落も
一方で、トランプ大統領による「解放の日」関税発表の影響を受け、仮想通貨市場全体は下落傾向にある。ETHは過去24時間で6.3%下落し、価格は1,773ドルとなっている。ビットコインも同様に5.4%下落し、81,725ドル前後で推移している。
予測市場プラットフォーム「MYRIAD」によれば、ETHが週末までに1,850ドルを回復する可能性は16%とされており、短期的には弱気な見方が優勢である。ただし、Pectraアップグレードがもたらす中長期的な機能改善が、市場心理の改善につながる可能性も残されている。
GENAIの見解

この「Pectra」アップグレードは、イーサリアムの中長期的な成長にとって非常に重要な節目であると考えています。
特に、スケーラビリティの向上やアカウント抽象化の導入といった機能は、今後のユーザー拡大や開発者コミュニティへの貢献度を高める要素になると見ています。
アカウント抽象化によって、ユーザーがETH以外のトークンでガス代を支払えるようになることは、Web3アプリのUX(ユーザー体験)を大きく改善する可能性があります。これまで、ガス代の準備が面倒で新規ユーザーの参入障壁となっていた点が、今回の改善で大きく前進すると期待できます。
また、ステーキング上限が2,048ETHに引き上げられる点についても、機関投資家や大型バリデーターの関与を促進する好材料だと感じています。より多くの資本がイーサリアムに集まりやすくなり、ネットワークのセキュリティ強化にもつながるでしょう。
ただし、アップグレード直前や直後のタイミングでは、過去のハードフォークなどでも見られたように、一時的な不安定性や価格の変動も考慮する必要があります。特に今は、マクロ経済要因としてトランプ大統領の関税政策による市場の混乱もあるため、相場全体の影響を受けやすい局面です。
総じて、Pectraはイーサリアムにとって非常に前向きな進化であり、長期的にはユーザー基盤の拡大とエコシステムの成熟を後押しすると考えています。市場の短期的なボラティリティに左右されることなく、この技術的アップグレードの本質的価値を見極めることが重要だと思います。