USDT(テザー)とは?基本概要から日本円の換金・購入方法までわかりやすく解説!

プロトレーダー Trader Zのイチ押しポイント!


  • USDTは「1 USDT=1 USD」を目指す、ステーブルコインと呼ばれる仮想通貨の一種
    • ビットコインなどをトレードしたいときや、一時的に価格変動リスクを回避したいときによく活用される
    • テザー社が法定通貨や債券などを裏付けとしてUSDTを新規発行している
    • イーサリアム(ERC-20)やTron(TRC-20)、さらにはSolanaなど多様なチェーンに対応している
  • 2014年に始まり、現在では時価総額・取引量ともに最大級のステーブルコイン
    • アメリカのフィンテック企業が発行するステーブルコインUSDCが競合として挙げられる
    • USDTは価格変動が抑えられているため、ボラティリティ対策として重宝される
  • USDTは海外取引所に上場しているため、GMOコインなどの国内取引所を通じて換金することができる
    • USDTを日本円に換金したい場合は、海外取引所にあるUSDTをBTCやETHなどの通貨に換金する
    • その後、換金した通貨を国内取引所に送金し、日本円に換金すれば完了
    • 逆にUSDTが欲しい場合は送金手数料無料のGMOコインを使って逆の手順を辿る
Trader Z

USDTはステーブルコインの中で、取引高・発行量ともに世界最大級であり、多くの仮想通貨取引所やプロジェクトがUSDTを基軸通貨として採用しています。
たとえば、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を購入する際も、「BTC/USDT」や「ETH/USDT」のようなペアが一般的です。

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USDTが世界中で使われ続けられる理由としては、便利さが挙げられます。
具体的には、世界中ほぼすべての主要取引所で対応、多数のブロックチェーン上で流通、流動性が非常に高くすぐ売買できるという特徴があります。

つまり、「USDTを使わないと始まらない」ほど、DeFiやNFT、取引所、ICOなどあらゆる場面で基盤になっているのです。

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ディーリングアドバイザー

世界第3位の仮想通貨取引所であるMEXCのトレーダーランキングにおいて、常に上位にランキングされる世界有数のトレーダー。
2024年10月には1,229,864,919.71USDT(日本円に換算して 1920 億円)の取引を行い、第1位となる。2024年12月にGFA Capital社が行う暗号資産ディーリング業務のアドバイザーに就任。

監修 Trader Z
ディーリングアドバイザー

世界第3位の仮想通貨取引所であるMEXCのトレーダーランキングにおいて、常に上位にランキングされる世界有数のトレーダー。
2024年10月には1,229,864,919.71USDT(日本円に換算して 1920 億円)の取引を行い、第1位となる。2024年12月にGFA Capital社が行う暗号資産ディーリング業務のアドバイザーに就任。

目次

USDT(テザー)とは?

ステーブルコインとは?仕組みと位置づけ

ステーブルコインは「価値が安定すること」を目指した暗号資産の総称です。

ビットコインなどのように需給バランスで大きく値が動くのではなく、法定通貨や金などの実物資産を裏付けにする形が一般的となっています。
USDTはその中でも「1枚あたり1ドルと交換できる」仕組みを採っているため、ドルの代替通貨として機能するケースが多いです。

暗号資産市場を使ったトレーディングでは、ビットコインが下落しそうなタイミングでUSDTに変えておけばドルと同等の価値で待機できるため、投資家にとっては非常に便利です。
また、日本円に直接戻すよりも素早く、各種コインと行き来できる点でも重宝されています。

USDTの基本概要(発行元・歴史・時価総額)

テザー社(Tether Limited)が2014年に始めた「Realcoin」がUSDTのルーツで、ほどなくして現在の名称に改められました。
大手取引所Bitfinexとの関連が強いことから、早期に取引所を通じて普及したともいわれています。

時価総額では2025年現在も世界最大規模で、どの暗号資産取引所を見てもUSDTを使った売買ペアが設けられている場合が多いです。
複数のブロックチェーン上で発行されているため、ユーザーはERC-20(イーサリアム)やTRC-20(Tron)など自分の使いやすいネットワークを選んで送受信できます。

USDTの仕組みを徹底解説

USDTの発行方法と償還プロセス

USDTは「カストディ型ステーブルコイン」と呼ばれるジャンルに属します。
これは、発行元であるテザー社が裏付け資産を管理し、ユーザーとの間でコインをやり取りする形です。大まかな流れは次のようになります。

USDTの発行方法と償還プロセス

ユーザーがテザー社に法定通貨(米ドルなど)を送金する
テザー社の口座へ資金を送るか、あるいは取引所がテザー社と連携している場合は、取引所を介してUSDTを購入できることもあります。

テザー社が受け取った資金と同額のUSDTを新規発行し、ユーザーに渡す
この時点で「1 USDT=1 USD」を維持するためには、発行した枚数分だけテザー社の保有資産が増える計算になります。

ユーザーがUSDTをテザー社に返却すれば、同額の米ドルで償還が可能とされる
逆のプロセスとして、ユーザーは手元のUSDTをテザー社へ送り、同量のドルを受け取ることができる仕組みです。発行されたUSDTが返却されると、テザー社はそれを「バーン(焼却)」し、市場から消滅させると説明しています。

ここで「常に同額のドルを裏で保持している」ことがペグの大前提ですが、実際にはテザー社の準備資産に現金がどれほどの割合で含まれているかは時期によって変動してきました。

近年は米国債など現金同等物の保有を増やし、監査報告を定期的に公開することで安全性をアピールしています。

1ドルペッグを維持するメカニズム

USDTが1ドル前後で取引される主な理由は「発行・償還プロセスが市場に開かれている(とされる)」ためです。
市場価格が1ドルを下回るような場面では、理論上、投資家は安く買ったUSDTをテザー社に償還して1ドルを受け取るアービトラージ(裁定取引)が可能になるはずです。
すると、USDTを買い支える動きが発生し、市場価格は再び1ドル付近に戻っていきます。

逆に1ドルを上回るときは、テザー社にドルを預けて1 USDTを新規発行してもらい、そのUSDTを市場で売却すれば差額が得られる可能性があります。
こうした仕組みが機能している限り、仮に一時的に乖離が起きても長期的には1ドル付近へ収斂しやすいと考えられています。

もっとも、実際にはテザー社との直接償還には条件や手続きがあり、個人ユーザーがすぐにドルを引き出せるわけではない場合もあるかもしれません。
多くのユーザーは取引所を介してUSDTを売買するため、テザー社への信頼が大きく揺らいだ場面では相場が1ドルを大きく割り込むケースもあり得ます。
完全には担保しきれない不確定要素がある点が、USDTのリスクとされるゆえんです。

USDTの特徴と魅力

価格安定性と高い流動性

USDTの一番の特徴は「1 USDT=1 USD」という価格安定性です。ビットコインのように高騰を狙うための投資対象というよりは、安定した価値を保ちながら送金や決済に利用したいというニーズに応える存在といえます。

仮にビットコイン相場が急落しそうなとき、すぐにUSDTに交換しておけば、法定通貨に戻すほどの手間をかけずに価値をおおむね1ドル相当に固定できます。
さらに、世界中の多くの取引所がUSDTを基軸とした売買ペアを用意しているため、他のコインをトレードする際にも流動性が高いと感じやすいです。

一方で、市場全体が過度に不安定になると、USDTですら一時的に1ドルを下回る価格で取引される場合があります。
過去には0.90ドル台に急落する瞬間があり、ユーザーがテザー社の裏付け資金に疑念を持ち始めると相場に影響が及ぶ点には注意が必要でしょう。

幅広いブロックチェーン対応と利便性

USDTは現在複数のブロックチェーン上で発行されています。ERC-20版のUSDTはイーサリアム上で幅広く使える半面、ガス代が高騰しやすい傾向があります。
Tron版のUSDTは送金手数料が比較的安く、送金スピードも速い一方で、対応ウォレットのバリエーションがイーサリアムほど多くはないかもしれません。
Solanaやその他チェーンも同様に特徴が違います。

用途や好みに合わせて使い分けができる点は魅力ですが、チェーンを間違えて送金すると資金がロストするリスクがあります。
送金先の取引所がどのチェーンに対応しているかを事前に調べ、正しいネットワークを選択することが重要です。
慣れるまでは戸惑うことがあるかもしれませんが、使いこなせれば日本円や銀行送金では考えられないほど高速かつ低コストで資金移動できる可能性があります。

USDTがここまで有名になった理由

普及の背景(歴史的経緯・Bitfinexの影響)

USDTの知名度が高まった最大の要因は、2017年前後の仮想通貨バブル期です。
当時、銀行送金でドルや円を入金しようとしても、規制や手数料の問題で手間取るケースが多々ありました。

そこで手早く資金をやり取りする手段として、Tether社が発行するUSDTが重宝されたのです。
Bitfinexをはじめ海外の主要取引所は米ドルの代用としてUSDTを採用し、ユーザーはビットコインを始めとする様々なコインへ瞬時に乗り換えられるようになりました。

さらに、この頃から「法定通貨のドルに等しい価値があるなら、資産を守るために一時USDTへ退避しよう」と考える投資家が増えていきました。
そうした需要拡大がUSDTを大きく押し上げる形となり、ステーブルコインの代表格としての地位を確立することにつながりました。

信用不安と規制問題をめぐる議論

USDTを巡っては、常に「本当に発行した全額に相当するドルを保有しているのか?」という疑念がつきまとってきました。
過去にはアメリカの金融当局による調査や罰金支払いの事例があり、テザー社が準備金を巡って不透明な運用をしていた時期があったとも指摘されています。

世間には「もしUSDTの信用が崩れると、仮想通貨市場全体が打撃を受けるかもしれない」という危惧があります。
実際、2022年には別のアルゴリズム型ステーブルコインが崩壊して大きな混乱を招きましたが、そのときもUSDTは一時的に1ドルペッグから乖離しかけました。

それでも最終的には大量の換金要求に応じられ、1ドル前後の価格を回復したことで「裏付け資産の一部は確実に用意されているのでは」という安心感を与えた面もあります。
現在は四半期ごとの監査報告を公開し、米国債など比較的安全性が高い資産を多く保有していると説明していますが、今も完全に疑念が拭われたわけではありません。
こうした肯定派と懐疑派の対立は、USDTの知名度向上につながる一因となっています。

USDTに関する注目ニュース

法規制・監査体制の強化動向

2023年以降、世界各国がステーブルコインを含む暗号資産全般への規制を強化してきました。
アメリカでは「国境を超えて流通するのであれば、海外発行のステーブルコインであっても自国の規制に従わせる」という方針が打ち出されつつあります。
EUでも包括的なルール整備が進み、日本では2023年6月に改正資金決済法が施行され、国内発行のステーブルコインが一部解禁となりました。

Tether社は過去の不透明な運用を反省したように見られ、監査報告を定期的に公開するなど透明性の確保に動いています。
ただし、依然として「グローバルなライセンス取得」や「厳格な監査制度への完全な対応」といった課題は残されています。
競合ステーブルコインとしては、アメリカのフィンテック企業が発行するUSDCが高い透明性をアピールしており、今後の規制ルール次第では両者のシェア争いが一段と激しくなる可能性があります。

発行量・競合コイン(USDC/BUSDなど)との比較

2025年、USDTの発行量は、さらに規模を拡大していると報じられています。
米ドルやユーロなどの法定通貨を裏付けにするステーブルコインとしては最大手の地位を維持しており、一時期はUSDCの台頭によってシェアが脅かされるかとみられましたが、銀行破綻騒動を機に再びUSDTへ資金が集中した側面があるようです。

一方、Binanceが発行していたBUSDは規制上の理由から新規発行を停止しており、かつてのような存在感は薄れつつあります。
こうした状況のなか、USDTとUSDCの2強体制が続くという見方が多いようです。
ステーブルコインという領域がますます拡大し、従来の銀行や決済企業も独自通貨を発行する可能性がありますが、現段階ではUSDTが圧倒的な流動性を持っているという評価が根強いといえます。

USDTのメリット・デメリット

メリット(送金手数料、保管利便性、ボラティリティ対策)

USDTは価格変動が抑えられているため、ボラティリティ対策として重宝されます。
ビットコインやイーサリアムの急騰・急落を避けたいときに、安全地帯として一時的に資金を移せるのは大きな利点です。
法定通貨に戻すよりも手数料や時間の面で優れており、市場の動向を気にしながら素早く次の動きに備えることができます。

保管のしやすさも特徴といえます。銀行のような窓口手続きが不要で、対応ウォレットや取引所間で簡単にやり取りが可能です。
特に国内外の取引所をまたいで運用する場合、USDTを通じて資産をまとめて管理できるのは利便性が高いでしょう。
実際に、海外送金としてUSDTを利用し、世界中どこでも数分~数十分程度で資金を移動できる点を評価するユーザーも増えています。

デメリット(規制リスク、中央集権性、過去の不透明性)

USDTはテザー社という特定の民間企業が発行管理を行う中央集権型のステーブルコインです。
これはビットコインのように誰もが平等に管理に参加する分散型の仕組みとは対照的です。
企業や組織の信用に依存する側面が強いため、テザー社の経営に何らかのトラブルが生じた場合、USDTの価値が揺らぐかもしれません。

また、世界的に規制が強まることで、特定地域で取引や発行が制限されるリスクもゼロではありません。
過去に不透明な資金運用が問題視されたように、常に「準備金が本当に十分かどうか」を取り沙汰され続けている点も注意すべきでしょう。
アルゴリズム型ステーブルコインのような仕組みとは異なり、常に担保資産の健全性が問われる宿命があります。

USDT取引所での購入・換金方法

取引所での購入方法・活用ステップ

日本国内の取引所では、USDTが直接扱われていない場合がまだ多いですが、海外取引所や一部の国内取引所を通じて入手することができます。
もし国内取引所ではUSDTを扱っていない場合、まずはビットコインやイーサリアムを購入し、それを海外取引所に送金してUSDTに交換する方法が一般的です。

海外取引所でUSDTを手に入れたあとは、ビットコインやイーサリアム、あるいはその他のアルトコインと交換したり、送金や決済の手段として利用したりできます。
市場が不安定になったときは一時的にUSDTで資産を保有し、落ち着いてから再度ほかのコインに交換するといった運用が考えられます。
手続き自体は画面上で売買ボタンをクリックするだけなので、慣れてしまえば複雑さは感じにくいでしょう。

ただし、海外取引所に資金を置いたままにすると、取引所の破綻リスクやハッキングリスクが残ります。可能であればウォレットに移すか、分散管理するなど、安全面への配慮が大切です。

ウォレットでの保管・送金方法

USDTは複数のブロックチェーン上で発行されているため、送金や保管時には対応チェーンを間違えないよう気をつけてください。
ERC-20版は多くのウォレットでサポートされているものの、ガス代が高い場合があります。
Tron(TRC-20)版は手数料が安い一方、送受信先がTron版に対応していなければ受け取れないという問題があります。

実際に送金するときは、相手のアドレスとチェーンの種類を必ず確認します。
ウォレットサービスや取引所が「どのネットワークに対応しているか」を確認することが重要です。
国内ユーザーの場合、海外取引所へ送金する機会が多いかもしれませんので、事前にTRC-20版に対応しているかどうかなどの情報をチェックすると安心です。

送金が正しく完了すれば、ほとんど銀行送金を待つ時間より短いスパンでドル相当の資金を移動できる利便性を体感できます。
特に海外に在住する家族や友人に送金したり、インターネット上のサービスに対して支払いしたりするときは、このスピード感が大きな強みになるでしょう。

USDTを日本円に換金する方法

USDTを日本円に換金する場合、いくつかのステップを踏む必要があります。

まずは国内の暗号資産取引所がUSDTの入金を受け付けているかを確認してください。
もし対応していれば、そのまま取引所の口座へUSDTを送金し、日本円の売買板や両替機能を通じて換金できます。

国内取引所がUSDTを扱っていない場合、海外取引所でUSDTをビットコインやイーサリアムに交換し、それらを国内取引所へ送金してから日本円へ売却する方法が一般的です。
交換レートや送金手数料は取引所やネットワークによって異なるため、事前に比較検討することが望ましいでしょう。

銀行振込で出金するときの手数料や所要時間、各取引所のサービス状況も考慮すると、よりスムーズに円へ転換しやすくなります。
最近は日本円の入出金に柔軟に対応する海外取引所も増えているため、最適なルートを選びながら換金の流れを把握しておくと安心です。

USDT(テザー)とは?まとめ

USDTはステーブルコインとしての代表的な存在であり、価格が1ドル前後に安定することから、初心者が仮想通貨投資を始めるにあたっても比較的安心感を得られやすい側面があります。
実際に世界規模で広く使われ、さまざまなブロックチェーン上に展開されているため、用途に応じた選択肢が豊富です。

ただし、中央集権型の発行体による信用リスクは常に意識しておく必要があります。
特に、過去に不透明な資金管理が問題視された経緯もあるので、今後も規制面や監査報告の動向を見守っていくことが大切でしょう。

投資家としては、相場の急変時にUSDTでリスクを回避したり、海外送金や決済の実務的な手段として使ったりするなど、さまざまな使い道が考えられます。
しかしながら、「必ず価値が保証される」といった過度な期待は禁物です。安定的とはいえ相場と規制の動向次第で思わぬ変動が起きることもあるかもしれません。

最終的には、自分の資金の範囲や投資方針をしっかりと踏まえ、リスクとメリットのバランスを考えたうえでUSDTを活用すると良いでしょう。

これから仮想通貨市場に参加しようとする方は、まずは小額から始めて使い勝手を確かめながら、ステーブルコインの可能性に触れてみてはいかがでしょうか。

※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)への投資を勧誘するものではありません。当サイトの情報に基づいて生じた損害やトラブルについて、当編集部は一切の責任を負いかねます。ユーザーご自身の判断と責任において情報をご利用ください。

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