ビットコインETFに約13億ドルの資金流入──米投資家が1日で過去最大級の買いを記録

米国のビットコイン現物ETFに、1日で9億1,300万ドル近い資金が流入したことが明らかとなった。これは、2025年1月中旬以来最大の1日流入額であり、ビットコイン価格の回復とトランプ大統領による対中貿易戦略の軟化観測が背景にあると見られている。

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ARKBとIBITが資金流入を牽引、ビットコイン価格も上昇

英Farside Investorsのデータによると、4月23日(火)には以下のETFが特に資金を集めた。

  • ARK 21Shares Bitcoin ETF(ARKB):2億6,700万ドルの純流入
  • BlackRock iShares Bitcoin Trust(IBIT):1億9,350万ドルの純流入

ブルームバーグETFシニアアナリストのエリック・バルチュナス氏は、X(旧Twitter)上で「スポット型ビットコインETFは昨日Pac-Manのようだった」とコメントし、その勢いをユーモラスに表現した。

また、バルチュナス氏は「IBITだけに頼らず、他のETFにも分散して流入しているのは良い兆候である」と述べ、ETF市場全体の健全性にも言及した。

ビットコインは93,000ドル台回復、14日間で14%上昇

4月24日時点で、ビットコインは93,225ドル付近で推移しており、過去24時間で約2%上昇。過去2週間では約14%の上昇を記録している。これは、ビットコインETFへの資金流入再加速と連動している形である。

今回のような大規模な流入は、トランプ大統領就任前の2025年1月17日以来であり、その際には1日で10億ドル以上がETFに投資された経緯がある。

ETF人気再燃、IBITは業界史上最速で資産10億ドル突破

ビットコイン現物ETFは、米国株式市場における「暗号資産への入り口」として爆発的な人気を誇ってきた。過去15か月間で、合計360億ドル以上の資産を集めたとされており、特にIBITはETF業界32年の歴史上、最も早く10億ドルに達したファンドとなっている。

しかし、トランプ政権発足直後には経済政策への懸念からビットコインが一時急落し、ETFも資産を減らす局面が続いた。BTCは一時10万9,000ドルの史上最高値を更新したものの、その後7万5,000ドルを割り込む場面もあった。

規制緩和が後押し、リスク資産との連動性には議論も

トランプ政権が掲げていた仮想通貨に対する規制緩和方針が実行に移されつつある現在、市場では再びビットコインに対する政策的な安心感が広がりつつある。一方で、ビットコインが「安全資産」か「テック株連動のリスク資産」かについては、依然として意見が分かれている。

今後、ETFの流入トレンドが持続するか、また金や株式市場との相関性がどう変化していくかは、2025年後半の仮想通貨市場の方向性を占う上で重要な要素となるであろう。

GENAIの見解


GENAI

これだけの規模の資金がたった1日でETF市場に流入したという事実は、機関投資家を中心とした投資家心理が明確に「強気」に転じたことを示しています。

特に今回の流入が、トランプ大統領による対中貿易戦略の軟化観測と連動して起きた点は、ビットコインがマクロ経済の変化に敏感に反応する“準・金融資産”としての地位を確立しつつあることを示しています。

また、ARKBやIBITといったETFへの資金流入が分散的であったことは、市場の健全性と構造的な成長の兆候といえます。過去のように特定ファンドに資金が集中していた時期と異なり、投資家が複数のプロダクトを戦略的に選好していることは、成熟した市場の兆しです。

IBITが業界史上最速で10億ドルの資産規模に到達したことも、ビットコインETFの存在がもはや一過性のブームではなく、米国の資本市場において定着した資産クラスとして認識されている証拠といえるでしょう。これはビットコインそのものの価値ではなく、「ビットコインにアクセスする仕組み」への信頼の強さを物語っています。

一方で、価格面ではここ数週間、ビットコインが一時7万5,000ドルを割り込むなどボラティリティの高い局面も見られました。にもかかわらず、ETFへの資金が流入したということは、短期的な値動きよりも長期的な価値保存やインフレヘッジ手段としての役割を評価している投資家が多いということでもあります。

総じて、ビットコインETFが“株式市場からアクセスできるデジタル資産”として着実に地位を築いていることは、今後の仮想通貨業界全体にとって極めて大きな意味を持ちます。

特に米国における規制環境が安定し、政策的に前向きな姿勢が示され続ける限り、ETF経由での資金流入はさらに加速し、2025年後半に向けてBTC価格にも中長期的な追い風となると見ています。

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