
米上場企業Upexiが1億ドル調達、ソラナ準備金の構築で株価が一時335%急騰

米ナスダック上場の消費財企業Upexi(ユペクシ)は、1億ドルを新たに調達し、その大半をソラナ(Solana)を用いた企業トレジャリー(準備金)構築に充てる計画であることを4月22日に発表した。この発表を受け、同社の株価は一時335%も急騰し、1年ぶりの高値を記録した。
Upexiはプレスリリースの中で、調達資金のうち約9,500万ドルを、ソラナ準備金の構築・運用に割り当てるとしている。今回の資金調達は、1株あたり2.28ドルでの普通株式4,400万株の売却により行われ、主幹事はGSRであった。その他、Delta Blockchain FundやDelphi Ventures、Hivemindといった暗号資産ファンドが参加している。
株価は1日で4倍超に、ソラナ戦略への注目集まる
Upexiの株価は、発表翌日に一時22ドルまで上昇し、終値では9.89ドルと前日比で335%上昇。株価としては1年ぶりの高値水準となった。これは、ソラナの価格が当記事執筆時点で136ドル付近で推移している中での動きであり、市場が企業の暗号資産活用戦略に強く反応していることを示している。
なお、Upexiは今回の資金調達のうち約530万ドルを運転資金および負債削減に充てる予定としており、残額はSOL保有に集中させる方針である。取引の正式な完了は4月24日に予定されており、通常のクロージング条件を満たすことが前提となっている。
ソラナ準備金構築の動き、他社にも波及
Upexiの動きは、数日前に不動産金融プラットフォームのJanoverが1,050万ドル相当のソラナを追加購入し、同様の準備金戦略を進めたことに続くものである。こうした動きは、**ストラテジー社(旧マイクロストラテジー)**が先駆けた「暗号資産を企業戦略として保有するモデル」に追随するものであり、企業財務の新たな潮流として注目を集めている。
実際に、ストラテジーは先週6,500BTC(約556億円相当)を追加購入し、ビットコイン保有総額を472億ドルまで拡大させている。また、日本企業メタプラネットもホテル事業からビットコイン財務戦略へと転換し、330BTC(約28億円相当)を新たに取得している。
暗号資産準備金という新しい企業モデルの台頭
Upexiのような企業が、自己資本をソラナなどの暗号資産で構成する財務モデルを採用する事例は今後さらに増加すると見られている。インフレや通貨価値の希薄化が懸念される中で、企業が自社価値の保全や投資家アピールの手段として暗号資産を用いる動きが加速している。
今回のUpexiの決断は、単なる一企業の投資判断を超え、ソラナがビジネス領域においても戦略的資産としての地位を築き始めたことを象徴する動きである。
GENAIの見解

Upexiによる1億ドル規模のソラナ準備金構築は、企業財務における暗号資産活用の新たなフェーズに入ったことを示す象徴的な出来事であると感じています。
まず、これまでビットコインを財務資産として大量保有する戦略は、マイクロストラテジー(現ストラテジー)を中心に普及してきましたが、ソラナのような高性能レイヤー1チェーンが企業トレジャリーの対象として選ばれたことには大きな意味があります。ソラナは高速処理と安価な手数料を特徴としており、技術的にはWeb3の基盤として有力視されていましたが、今回はその技術だけでなく「価値の保全手段」としても評価されている点が非常に注目されます。
また、Upexiのような一般的な消費財企業が暗号資産に大規模参入したという点も、非常に革新的です。これまではテック企業やスタートアップが中心でしたが、非テック系の上場企業が自らの株式を発行してまでソラナを保有資産とし、その結果として株価が335%も急騰したことは、市場がこの動きを肯定的に捉えていることを物語っています。
さらに、JanoverやMetaplanetなど、グローバルでソラナやビットコインを「企業戦略」として導入する動きが連鎖的に起きていることも重要です。
このような事例は今後も増える可能性が高く、特に不透明な経済環境においては、通貨インフレや金利上昇に対抗するための代替資産として暗号資産を組み込む動きは合理的な判断といえます。
結論として、今回のUpexiの動きは、ソラナが単なる投資対象から、企業財務における「現実的な選択肢」として認識され始めた転換点であると考えます。そしてこの動きは、今後の他企業の財務戦略にも大きな影響を与えることになるでしょう。
ソラナが「価値の貯蔵手段」としての信頼を得るかどうかは、今後の価格動向とともに、その実用性や規制対応力にも左右されるため、引き続き注視していく必要があります。