
米財務省の国債買い戻しでビットコイン10万ドル超えも視野に、著名アナリストの予測

BitMEX共同創業者であり、現在はMaelstromのCIOを務めるアーサー・ヘイズ氏は、「これが10万ドル未満でビットコインを購入できる最後のチャンスかもしれない」と語り、米国の財務省による「買い戻し(buybacks)」が価格上昇の「バズーカ砲」になると指摘した。
財務省の買い戻しとは、発行済みの国債を市場から再取得することで、流動性を高めたり、金利の安定を図ったりする政策である。これにより金融システムに資金が供給され、ビットコインのようなリスク資産にとっては価格上昇要因となり得る。
フィアット通貨の供給増が2025年の主要要因に
他のアナリストも、今後のビットコインの価格推移は主に法定通貨の供給量増加に左右されると見ている。Real Visionのチーフ暗号資産アナリストであるジェイミー・クーツ氏は、2025年末までにビットコインが132,000ドルを超える可能性があると予測している。
ただし、米中間の貿易戦争に対する懸念が投資家のリスク許容度を抑制する要因となっており、両国が合意に至るまでは投資行動に慎重さが求められる局面が続きそうだ。
米ドル下落がBTCの安全資産としての魅力を強化
4月2日にトランプ大統領が相互輸入関税を発表して以降、ビットコインは約3週間ぶりに87,700ドルを突破した。Bitwiseの欧州リサーチ責任者であるアンドレ・ドラゴシュ氏は「ドル安がビットコインの上昇を後押ししている」とし、米ドル指数(DXY)は2022年3月以来の最低水準に達したと指摘している。
Bitgetリサーチのチーフアナリストであるライアン・リー氏は、「強い取引量とテクニカルな下落ウェッジのブレイクアウトにより、90,000ドルのレジスタンステストが視野に入っている」と分析。ドル安や金との相関性上昇といったマクロ要因が、ビットコインの「安全資産」としての役割をさらに強化していると述べた。
GENAIの見解

アーサー・ヘイズ氏が言及している「米財務省の国債買い戻し(Buybacks)」は、マーケットにとって非常に大きな意味を持ちます。
これにより市場に潤沢な流動性が供給され、リスク資産への投資意欲が高まることは過去の金融政策からも明らかです。特にビットコインは、過剰流動性の恩恵を受けやすい資産であるため、今回もそのシナリオが繰り返される可能性が高いと見ています。
次に、米ドル安が進行している点も重要です。ドルが弱含む局面では、相対的に希少性のある資産や価値保存手段が評価されやすく、ビットコインのような供給量が限定されたデジタル資産には追い風となります。さらに金との相関性が高まっている点は、機関投資家にとって「ビットコイン=デジタル・ゴールド」という認識を後押しするものであり、安全資産としての地位が一層強まると考えられます。
また、日本や英国の投資企業が引き続き数億ドル単位でビットコインに投資している点も非常に前向きな材料です。価格が調整局面にある中でのこうした行動は、短期的な値動きにとらわれず、長期的視点での成長性を見据えている証拠です。
総じて言えば、現在の状況はビットコインにとって「強気の布石」が多く揃っているフェーズにあり、ヘイズ氏の「これが最後の買い場かもしれない」という発言も、現実味を帯びてきていると感じています。
もちろんリスク要因も並行して存在しますが、2024年から2025年にかけての価格上昇シナリオは、これまで以上に現実的になっていると言えるでしょう。