Hyperliquidがパーペチュアル取引高の約8割を独占、DEX市場の主役に浮上

分散型取引所（DEX）のパーペチュアル取引市場において、レイヤー1ブロックチェーン「Hyperliquid（HYPE）」が圧倒的な存在感を放っている。

暗号資産メディアBlockworksによると、Hyperliquidは現在、DEX市場のパーペチュアル取引高の約80%を占めており、競合を大きく引き離しているという。

1/ Despite ending its points program last year, @HyperliquidX has maintained a dominant market position with nearly 80% of perpetuals DEX volumes.

Hyperliquid's success stems primarily from rapid, relevant token listings and superior UX for users and market makers. pic.twitter.com/1Nx67KFn8x

— Blockworks Research (@blockworksres) April 18, 2025

パーペチュアル取引とは？

パーペチュアル取引（perpetual trading）とは、期限のない先物契約の一種であり、暗号資産の価格にレバレッジをかけて取引することができる金融商品である。一般的な先物取引と異なり、満期日が存在せず、トレーダーは自身のポジションを好きなだけ保有し続けることができる。

資金調達率（ファンディングレート）という仕組みによって、現物価格との乖離が調整されており、価格は現物市場と連動しやすい。これにより、短期の値動きを狙うトレーダーや機関投資家に人気が高まっている。

急成長の理由：高速なトークン上場とUXの質

Blockworksは、Hyperliquidの急成長の要因として、ユーザーやマーケットメイカーに向けた優れたユーザー体験（UX）と、「需要の高いトークンをいち早く上場させる戦略」が成功している点を挙げている。

「Hyperliquidは、中央集権型取引所（CEX）の出来高に対抗できる唯一のDEXである」とBlockworksは強調している。

直近3カ月間の平均取引高は日次で約64億ドルに達しており、これはCEXのBybitやOKXの出来高の約半分に相当する水準である。

HYPE買戻しと持続可能なエコノミクス

Hyperliquidのトレーディングエンジン「HyperCore」は、プラットフォームに安定した資本流入をもたらしている。生成された手数料は、「HLP（Hyperliquidity Provider）」と「アシスタンスファンド」に分配され、後者はHYPEトークンの買い戻しに使用される。

2月からの累計で9,600万ドル相当が買い戻されており、これは1日あたり約140万ドルに相当する。

Blockworksは、Hyperliquidが今後さらに成長し、CEXのマーケットシェアを本格的に奪う存在になると予想している。

「HyperCoreはCEXとの真っ向勝負に出る段階にあり、分散型パーペチュアル市場での覇権を維持しつつ、中央集権型プラットフォームから市場を奪っていくだろう」と分析した。

特に、トレーディング体験の質と新規トークンの迅速な対応力は、DeFiにおける「使いやすさ」と「機動性」の両立という難題を乗り越えつつあります。

加えて、手数料を用いたトークン買戻しというメカニズムは、HYPEの価格安定と長期的価値を担保する重要な要素であり、ユーザーと投資家の双方に信頼を提供しています。

今後、HyperliquidがCEXの取引高を侵食し、DeFiの常識を塗り替える存在となる可能性は高いと考えられます。特にアジア市場や機関投資家がDeFiに本格参入した場合、こうした高性能DEXが新たな主役となることは間違いありません。