
ブラックロックCEOが米経済の「景気後退」を警告、AI・インフラなど“メガトレンド”は依然健在で暗号資産にも影響か

世界最大の資産運用会社ブラックロックのCEO、ラリー・フィンク氏が、現在の市場の混乱にもかかわらず、AIやデータセンターなどの「メガトレンド」は今後も続くとの見解を示した。
一方で、トランプ政権による関税政策やリセッション(景気後退)の兆しが、それらの展開スピードに影響を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らしている。
メガトレンドは継続、実行には遅れの可能性
フィンク氏はCNBCのインタビューで、「AI、データセンター、インフラ、そして経済の全体的な再編成といったメガトレンドは依然として続いている」としつつも、「関税や経済環境の影響で、実行のタイミングが遅れる可能性がある」と指摘した。
「長期的には楽観しているが、足元ではリセッションに入りつつある、あるいは既に入っている可能性がある」と述べ、企業や投資家に“再調整(リキャリブレーション)”の必要性を強調した。
インフレと住宅コストに直撃、関税の影響を過小評価する市場
新築住宅価格は最大26%上昇の可能性も
フィンク氏はさらに、トランプ政権が再導入した関税政策がインフレを押し上げる可能性を強く示唆した。中でも住宅建設にかかるコスト上昇が顕著であり、「新築住宅の価格は最大で26%上昇する可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
「これはパンデミックや金融危機ではない。私たち自身が作り出した構造的な問題だ。かつて米国は第二次世界大戦後の“グローバルな安定要因”だったが、今や“グローバルな不安定要因”になりつつある」と述べ、現政権の内向きな政策が国際経済への波及リスクを高めていると指摘した。
構造変化の中で、暗号資産にも長期的な追い風
フィンク氏の発言は、金融市場が直面している不確実性の中でも、テクノロジー分野や構造的トレンドには今後も投資機会が存在することを示している。
特にAIやインフラは、ブロックチェーンや暗号資産のインフラ整備とも親和性が高く、将来的にはこれらの分野にも資金が流入する可能性がある。
GENAIの見解

フィンク氏が言及した「メガトレンド」、特にAIやデータセンター、インフラの再構築といった分野は、ブロックチェーン技術や暗号資産エコシステムと密接に関連しています。
たとえば、ビットコインやイーサリアムのマイニング、DePIN(分散型物理インフラネットワーク)などの分野は、AIやデータ活用と共に進化していく領域です。これらの分野が引き続き重視されるという発言は、暗号資産の社会的・経済的な立ち位置を裏付けるものと受け止めています。
一方で、フィンク氏が「我々はリセッションに突入しつつある」と述べ、インフレや関税政策の影響についても警鐘を鳴らしている点は、短期的な市場環境に対する注意喚起として非常に重要です。特に、コスト上昇や消費の減退が加速すれば、リスク資産である暗号資産への投資マインドは一時的に冷え込む可能性も否定できません。
しかしながら、こうしたマクロ経済の不確実性こそが、ビットコインのような「中央集権の影響を受けない価値保存手段」への注目を高める契機にもなります。実際、過去の金融不安定期にはビットコインの需要が高まった事例も多く、今回のような経済の「再編成(reorientation)」というキーワードは、中央銀行政策に依存しない分散型金融(DeFi)やステーブルコインの必要性を改めて示すものだと捉えています。
総じて言えば、フィンク氏の見解は伝統金融の視点からも、暗号資産の将来的な可能性と、その関連インフラの成長性を間接的に支持する内容であり、長期投資家にとっては極めてポジティブな示唆であると評価しております。