バイナンス、米政府に規制緩和を要請 AML監視撤廃を協議か

世界最大の暗号資産取引所バイナンスの幹部が、米財務省の当局者と会談し、現在実施されている規制監視の緩和について協議していたことが報じられた。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、バイナンス側は、2人の監視官のうち1人の解除、または監視期間や範囲の縮小を求めたという。

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バイナンス、AML監視が「非効率で高コスト」と不満表明

バイナンスは過去に、マネーロンダリング対策(AML)、無許可の資金移動、経済制裁違反といった重大な法令違反について有罪を認めており、それを受けて米財務省はコンプライアンス遵守を目的とした監視官を任命していた。

しかし、バイナンスの広報担当者は「監視官の存在が業務に非効率とコスト負担をもたらしている」と述べており、3月に行われた会合では、CEOのリチャード・テン氏および最高法務責任者のエレノア・ヒューズ氏が、監視体制の縮小または早期終了を求めたとされる。

トランプ政権との関係性が規制緩和の鍵か

報道によれば、バイナンスと米トランプ一族が支援する暗号資産プロジェクト「World Liberty Financial」との間で、ドル連動型ステーブルコイン「USD1」のバイナンス上場に向けた協議も進められていたという。プロジェクト関係者は、「USD1を世界中の何百万人に使ってもらいたい」とコメントしている。

こうした動きにより、バイナンスはトランプ政権との関係性を強め、規制当局との交渉を有利に進めようとしている可能性がある。実際、バイナンス幹部らは新政権下での「緩和的な判断」に期待を寄せているとされる。

GENAIの見解


GENAI

バイナンスは過去のAML(マネーロンダリング防止)違反や制裁違反などにより、米国当局から厳格な監視体制を敷かれてきました。

今回のように、正式なルートを通じてモニタリングの解除や緩和を求めるという動きは、コンプライアンスへの取り組みを表向きには強化している姿勢の表れであり、一定の前進と評価できます。

しかし、注目すべきはその背景に「トランプ政権との関係構築」が存在している点です。バイナンスがトランプ一族の支援を受ける暗号資産プロジェクト「World Liberty Financial」と接触し、USD1というステーブルコインの上場を検討しているという報道は、非常に戦略的な動きです。これは政治的な後ろ盾を得ることで、米国市場への再進出や規制緩和を有利に進めたいという意図が透けて見えます。

一方で、これは市場参加者にとってリスクと捉えられる可能性もあります。政治色の強いプロジェクトとの関係は、市場の中立性や信頼性に疑問を持たれる要因となるからです。また、規制当局との距離感をどう取るかは、今後の企業運営において極めて重要なポイントになります。

総合的に見て、バイナンスはこれまでの「規制との対立姿勢」から、「対話と政治的交渉による合法化」へと舵を切っていると考えられます。これが成功すれば、他のグローバルな暗号資産企業にとっても先例となる可能性がありますが、その成否は政権の意向や規制機関の対応に大きく左右されるため、今後も慎重に見守る必要があると感じております。

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