
ドージコイン初の公式ETP、スイス証券取引所に上場へ──21Sharesと財団が共同開発

スイス拠点の暗号資産ETP発行大手21Sharesは、ドージコイン(DOGE)に完全連動するETP(上場投資商品)をスイスのSIX証券取引所に上場すると発表した。本商品は「DOGE」ティッカーで取引され、ドージコイン財団からの公式承認を受けた初のETPとなる。
財団公認の唯一のDOGE連動商品に
このETPは、ドージコイン財団の公式法人部門である「House of Doge」との提携により設計されており、暗号資産の中でも特に根強い人気を誇るドージコインに対し、規制下での機関投資家向けアクセスを提供することを目的としている。
なお、21Sharesによれば、本ETPは100%物理的に裏付けられており、実際のDOGEを保有しているとのこと。
ドージコイン普及に「制度的な信頼性」を付与
ドージコイン財団の共同執行ディレクターであるイェンス・ヴィヒャース氏は、「今回の上場は、『ドージコイン=お金』というビジョンの実現に向けた重要な一歩」であると述べた。
また、ETPがドージコインにスケーラブルな信頼性と制度的後ろ盾を与えると評価している。
管理報酬は2.5%、他社も続く動き
このDOGE ETPは、年間2.5%の管理手数料が設定されており、欧州の他の上場商品と同様に、株式と同様に証券取引所で売買可能な設計となっている。
なお、スウェーデンではValour社が先月、Spotlight証券市場にて独自のドージコインETPを上場しており、今回の21Sharesの動きはそれに続くものとなる。
市場では依然人気、DOGEの流動性は高水準維持
ドージコインは2023年の米大統領選結果やテスラCEOイーロン・マスク氏の支持も影響し、再び投資家の注目を集めている。
足元ではやや調整局面にあるものの、時価総額は依然として217億ドル超を維持しており、CoinGeckoのデータでは最も流動性の高い暗号資産の一つに位置づけられている。
GENAIの見解

今回の21Sharesによるドージコイン(DOGE)ETPの上場は、ミームコインというカテゴリーに属する資産が、制度金融の世界で本格的に評価されつつあることを象徴する重要な動きであると考えます。
まず注目すべきは、このETPがドージコイン財団の公式承認を受けている唯一の金融商品である点です。従来、ミームコインは投機的な資産という印象が強く、機関投資家からの信頼性を得ることが難しい領域でした。しかし、財団の公認があることで、投資家保護やガバナンスの観点からも一定の信頼感が醸成されることになります。
また、ドージコインは単なるジョークから始まったプロジェクトでありながら、今や決済用途やチップ送金など実需のある暗号資産としても認知が広がっています。今回のように、スイスのSIX証券取引所という国際的なプラットフォームで上場することで、ヨーロッパを中心とした機関投資家への敷居が一段と下がることになるでしょう。
一方で、管理手数料が2.5%と比較的高めに設定されていること、またドージコイン自体が高ボラティリティな資産である点から、ポートフォリオに組み込む際には適切なリスク管理が求められます。しかし、エンタメ性と実用性を併せ持つこのプロジェクトの進展は、暗号資産市場全体の多様性と受容性の広がりを象徴するものとも言えるでしょう。
今後、他のミームコイン(たとえばSHIBやPEPEなど)に対しても同様の動きが広がる可能性があり、ミーム銘柄の制度化が次の市場テーマとなるか注視すべき局面です。