
SUI現物ETFが米国で承認間近に、Canary CapitalとCboeが申請手続きを本格化

暗号資産マネージャーCanary Capitalが申請したSUI現物ETF(上場投資信託)が、米国での承認に向けて一歩前進した。
シカゴ・ボード・オプション取引所(Cboe)は、ETFの取引開始を可能にする「19b-4ルール変更申請」をSEC(米証券取引委員会)に提出したことが明らかとなった。
イーサリアムとソラナの競合を狙うSUIブロックチェーン
SUIは、2023年5月にローンチされたレイヤー1ブロックチェーンであり、イーサリアムやソラナといった既存の主要ネットワークに対抗することを目的としている。
開発には元Facebookのエンジニアが関与しており、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用しているのが特徴である。
ネットワーク成長と同時に課題も存在
SUIネットワークにはSatLayer(ビットコインステーキング)のようなプロジェクトが存在し、Phantomウォレットなどの大手サービスからもサポートを受けている。
しかし一方で、インサイダー取引疑惑やネットワークの一時停止といったトラブルにも直面しており、昨年10月にはSui Foundationに関連するとされるウォレットが400億円超の利益を得たとの疑惑も報じられた。
ETF化が進む中、SUIも候補に浮上
Canary Capitalは、SUIに加えてソラナ、XRP、Pudgy Penguins関連ETFの申請も行っており、アルトコインのETF化を積極的に進めている。
ETFを通じて投資家は、トークンの現物を保有せずに価格変動へ投資できるという利便性が注目されている。
SECは引き続きETF申請を審査中
現在、SECはVanEckや21Shares、Bitwiseなどの資産運用会社から提出された複数の暗号資産ETF申請を審査しており、ビットコインおよびイーサリアムETFが2024年に承認されたことを契機に、さらなるアルトコインETFの解禁に向けた期待が高まっている。
SUI現物ETFが承認されれば、アルトコイン市場の資本流入に新たな追い風となるだろう。
GENAIの見解

このニュースは、SUIのような比較的新興のレイヤー1ブロックチェーンが、米国金融市場における“制度化”の段階に入りつつあることを示す非常に重要な兆候だと考えています。
これまで、ETF市場は主にビットコインやイーサリアムといったメジャーな暗号資産に集中してきました。しかし、今回のSUIや、同じく申請が進んでいるソラナ(SOL)、XRP、さらにはPudgy PenguinsといったNFT関連資産のETF化の動きは、米国市場がアルトコインの多様性とその資産価値を正式に評価し始めていることを象徴しています。
SUIに関して言えば、ネットワークは技術的には非常に先進的であり、開発陣にFacebook出身者を抱え、PoSを採用しつつ、Solanaと競合するような高速かつスケーラブルなブロックチェーン設計を掲げています。その一方で、インサイダー疑惑やネットワーク停止といった課題も残っており、ETF承認によって“信頼性”が制度的に付与されるかどうかが、市場評価に大きな影響を与えると見ています。
また、ETFという金融商品は、トークンの現物保管を必要とせず、既存の証券口座を通じて容易に暗号資産にアクセスできる手段であるため、個人・機関問わず投資家層を大きく広げることができます。SUIのような中堅アルトコインがETF化されることは、アルト市場全体の評価額押し上げにもつながる構造的な材料になり得ます。
総じて、SUI ETFの実現は単なる新商品誕生ではなく、アルトコインが次の“制度投資対象”となる時代の幕開けを象徴する動きであると見ています。
今後、他のブロックチェーンプロジェクトにも波及することは間違いなく、アルトコインETFの“第2波”にどうつながっていくかが注目されます。