
バイナンス共同創業者CZ氏、パキスタン政府の新設「クリプト評議会」顧問に就任

バイナンス共同創業者のチャンポン・“CZ”・ジャオ氏が、パキスタン政府の新たな暗号資産政策機関「Crypto Council(クリプト評議会)」の顧問に就任することが報じられた。Bloomberg Lawが4月8日に伝えた。
この評議会は、パキスタン国内における暗号資産の規制整備、インフラ構築、教育、導入促進を目的に3月に設立されたもので、CZ氏はこれらの分野に関して政府にアドバイスを行う。財務省は声明で、暗号資産の「真のポテンシャルを解き放つためには、規制の明確化が不可欠だ」と述べている。
外資誘致のてこ入れへ、CZが再びWeb3業界へ本格復帰
この発表は、3月21日に行われたCrypto Councilの初会合からわずか数週間後の出来事である。パキスタンでは外国直接投資(FDI)が前年比45%減少するなど投資環境に陰りが見えており、暗号資産を成長エンジンとして活用する戦略が注目されている。
Crypto CouncilのCEOであるビラル・ビン・サキブ氏は3月、Bloomberg TVのインタビューで「パキスタンを南アジアの暗号資産首都にする」というビジョンを語っており、今回のCZ氏の参加はその構想を後押しする格好となる。
CZ氏、刑期終了後も積極的にWeb3領域に関与
CZ氏はバイナンスCEO退任後、米司法当局との司法取引によりマネーロンダリング規制違反で4カ月の服役を終えたばかりだが、2024年にはスタートアップ投資会社YZi Labsへの出資を発表するなど、Web3業界への本格復帰の兆しを見せている。
また、2024年には小中高校生向けのデジタル教育NPO「Giggle Academy」を設立し、「人生でもっともインパクトのあることに取り組みたい」と語っており、教育と暗号資産の両分野に軸足を置いた活動が注目されている。
GENAIの見解

バイナンス創業者であり、業界内でも圧倒的な影響力を持つチャンポン・ジャオ(CZ)氏が国家レベルの暗号資産政策に直接関与するという事実は、パキスタンが暗号資産の本格的な制度整備と導入促進に踏み出した決定的なシグナルであると感じます。
これまでパキスタンは、明確な規制や技術的インフラが不足していたことから、潜在的な市場規模に比して海外投資の呼び込みが遅れていた面があります。そうした中で、世界的なプレイヤーであるCZ氏の参画は、信頼性の向上と投資家の関心を呼び戻す起爆剤となり得ます。
また、パキスタンは人口が2億人を超える巨大市場であり、若年層の割合も非常に高いため、教育・インフラ・決済の各領域で暗号資産が果たす役割は大きいです。CZ氏がアドバイザーとして、規制設計だけでなく教育や普及の分野にまで踏み込むことは、持続可能なWeb3エコシステムの形成に直結する取り組みだと考えます。
さらに興味深いのは、CZ氏自身がCEO退任・服役という困難を経て、再びWeb3の最前線に立ち、教育とグローバルな制度支援に力を入れている点です。これは、個人としての信念と、業界の未来に対する責任感の表れだと感じます。
総じて今回の動きは、パキスタンにとっては暗号資産政策の信頼性を一気に高めるチャンスであり、CZ氏にとっては“影響力ある再始動”の場ともなっており、今後の展開に非常に注目しています。アジア全体に波及効果を及ぼす可能性も高いと見ています。