ビットコイン底打ち「6月までに70％の確率」Nansen分析

暗号資産市場は今後2ヶ月以内に底打ちする可能性が高いとする分析が出ている。ブロックチェーン分析企業Nansenは、関税を巡る世界的な交渉の行方が市場にとって重要な分岐点になると指摘している。

Nansenの4月1日のリサーチレポートによれば、「現在、ビットコイン（BTC）は年初来高値から15％、イーサリアム（ETH）は22％下落しており、暗号資産全体の底打ちが今から6月までに起きる確率は70％に達する」と見ている。特に米国の関税発表が控える中、市場は上昇の勢いを欠いており、株式市場と暗号資産市場の両方が200日移動平均線を上抜けるには至っていないという。

市場心理は依然「慎重姿勢」、ポジティブ材料待ちの状態

Nansenは「現在の市場心理は非常に脆弱で、成長見通しや関税に関する“良いニュース”が必要とされている」と述べた。リスク資産全体にとって、関税交渉の難所を乗り越えた先にようやく本格的な底打ちと反転のチャンスが訪れるとしている。

一方、暗号資産投資プラットフォームNexoの編集責任者ステラ・ズラタレバ氏は、Cointelegraphに対し「市場は現在、“様子見モード”に入っており、大きなポジションを取る投資家は少ない」とコメント。恐怖と強欲指数は3日連続で「極度の恐怖」領域を上回っており、市場心理にわずかな改善が見られるとも述べた。

ビットコインは8.2万ドル維持がカギ、突破ラインは8.45万ドル

ビットコインは第1四半期の調整局面を経て、現在82,000〜85,000ドルのレンジ内での推移が続いている。ズラタレバ氏は「8.2万ドルが主要なサポートラインとなっており、感情面が安定すれば8.65万ドル、さらには9万ドルへの上昇余地もある」と分析している。

一部のトレーダーは、8.45万ドルを明確に突破することで、上昇トレンドへの弾みがつくと見ており、関税協議の進展とともにそのタイミングを注視している。市場全体が方向感に欠ける中、ニュース次第で大きく動く局面が近づいている可能性がある。

特に、ビットコインやイーサリアムといった主要銘柄でさえ、関税交渉の進展具合によって価格動向が左右されるというのは、従来の金融市場との相関性が高まっている証拠でもあります。

Nansenの「70％の確率で6月までに底を打つ」という見解は、妥当性があると感じています。というのも、価格はすでに年初来高値からある程度の調整を経ており、多くの投資家が「悪材料をある程度織り込んだ」と見るフェーズに入ってきているからです。ただし、その「底」が長期的な反転につながるかどうかは、やはり政策面、特に米国の関税や金利政策に大きく依存すると考えています。

また、今回のレポートで注目すべき点は、単にテクニカル指標だけではなく、「市場心理」をしっかり分析している点です。投資家が「様子見」姿勢を取っていることや、恐怖と強欲指数が改善傾向にあることは、今後の反発に向けた土台が形成されつつあることを示唆しています。

結論としては、現在は「仕込みの時期」に近づいている可能性が高いものの、楽観に傾くには時期尚早です。短期的には外部要因、特に米国の政策関連ニュースに敏感に反応する市場環境が続くと見ています。ですので、ポジションを取る場合は段階的なエントリーやリスク管理を意識する必要があると考えます。