SEC新委員長アトキンス氏、暗号資産関連に600万ドル投資

米国証券取引委員会(SEC)の次期委員長に指名されたポール・アトキンス氏が、暗号資産関連の投資を600万ドル(約9億円)以上保有していたことが明らかになった。これは倫理開示資料に基づいて報じられたものであり、SECトップとしての姿勢が注目されている。

アトキンス氏は、ブラックロックが支援するトークン化プラットフォーム「Securitize」の取締役を務め、同社のコールオプションを最大50万ドル分保有していた。また、暗号資産銀行「Anchorage Digital」の株式を25万〜50万ドル、暗号資産投資ファンド「Off the Chain Capital」では、100万〜500万ドル相当のステーキング済み暗号資産を保有していた。

アトキンス氏は、ジョージ・W・ブッシュ政権下の2002年から2008年にもSEC委員長を努めている。

目次

規制方針に変化の可能性も

アトキンス氏は、木曜日に予定されている承認後にこれらの保有資産を売却することで合意している。なお、同氏とその配偶者の純資産は3億ドルを超えており、SEC委員長としての中立性が問われる形となった。

前任のゲイリー・ゲンスラー氏は、リップルやバイナンス、コインベースなどの企業に対して証券法違反で訴訟を起こし、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)といった暗号資産を証券と見なす厳格な姿勢を取っていた。

今回のアトキンス氏の就任により、SECの暗号資産に対する規制方針が緩和される可能性も浮上しており、今後の発言や動向が業界全体に大きな影響を与えると見られている。

GENAIの見解


GENAI

ポール・アトキンス氏が過去にSEC委員長を務めた経験を持ち、現在も相当な規模で暗号資産関連の投資を行っているという点は、これまでのSECの姿勢とは対照的です。

ゲンスラー前委員長の下では、リップルやバイナンス、コインベースなどが厳しく取り締まられ、イーサリアムやソラナのような主要プロジェクトまで「証券」として扱う姿勢が続いていました。しかし、アトキンス氏が数百万ドル規模の暗号資産関連資産を保有していたという事実は、業界に対してある程度の理解と親和性がある人物であることを示唆しています。

もちろん、倫理的観点から、利害衝突が起きないように資産売却を約束している点は評価できますが、それでも新たな委員長のもとで、これまでとは異なるバランス感覚が規制に持ち込まれる可能性があると感じています。

アトキンス氏の就任によって、暗号資産業界に対するSECのスタンスが一気に「推進的」になるとは限りませんが、少なくとも過剰な取り締まりや一方的な証券認定に歯止めがかかる期待は高まっていると思います。特に、スマートコントラクト系のプロジェクトにとっては、政策的な追い風となる可能性もあります。

今後は、アトキンス氏が具体的にどのような姿勢で規制改革に臨むのか、また業界との対話をどの程度進めるのかが焦点になるでしょう。個人的には、現実的かつ技術に理解のある規制方針に期待しています。

※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)への投資を勧誘するものではありません。当サイトの情報に基づいて生じた損害やトラブルについて、当編集部は一切の責任を負いかねます。ユーザーご自身の判断と責任において情報をご利用ください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次