ブラックロックの17億ドルトークン化ファンドがソラナ対応、RWA需要急増と機関導入が加速

ブラックロックとセキュリタイズは、トークン化国債ファンド「BUIDL」の新たなシェアクラスを2025年3月25日にソラナ上でローンチした。ファンドの運用資産は17億ドルに達し、トークン化された米国国債市場全体も過去最高となる50億ドルを突破した。

ソラナ統合で高速・低コスト運用へ、7チェーン目の対応ネットワークに

BUIDLは2024年にスタートしたブラックロック初のパブリックチェーン対応ファンドで、これまでイーサリアムやポリゴンなど複数のチェーンで展開されてきた。

今回のソラナ統合により、対応ネットワークは計7チェーンとなる。クロスチェーンの転送はWormholeが支え、シームレスな資産移動が可能になっている。

実世界資産（RWA）トークン化への需要が急拡大

セキュリタイズのCEOカルロス・ドミンゴ氏は、「この1年でRWAトークン化の需要が急増しており、ソラナの高速性とコスト効率はアクセス性の向上に不可欠」と述べた。また、ソラナ財団のリリー・リウ会長は「ソラナの開発者エコシステムとスケーラビリティは、機関導入の大きな強み」と評価した。

金融インフラの再構築へ、BUIDLはTradFiとDeFiの架け橋に

BUIDLは日次配当と24時間対応のP2P取引を提供するなど、従来の金融商品にはない柔軟性を備えている。

ファンドは依然として適格投資家のみに限定されているが、流動性向上とコスト削減を目的とした機関導入の流れは今後さらに加速すると見られる。BNYメロンがカストディ業務を担当し、セキュリティと信頼性も確保されている。

特に、ブラックロックのような世界最大級の資産運用会社が、ソラナを含む複数のブロックチェーンに対応する形で国債ファンドを展開しているという事実は、伝統的金融（TradFi）と分散型金融（DeFi）の融合が加速していることの証です。

ソラナが新たに統合された点についても非常に注目しています。ソラナは高いスループットと低コストで知られ、機関投資家が求める安定性と効率性を兼ね備えたチェーンです。これまでイーサリアム系のチェーンに偏っていたトークン化ファンドが、ソラナを取り入れたことで、より広範なエコシステムにアクセス可能となり、インフラとしての選択肢が増えたことは大きな進展です。

また、Wormholeを活用したクロスチェーン対応により、資産移動がより柔軟かつ効率的になる点も見逃せません。これは、投資家にとって単なる利便性の向上だけでなく、リスク分散や資産管理戦略の柔軟性向上にもつながります。

さらに、BUIDLファンドが17億ドルに達し、トークン化国債市場全体が50億ドルを突破したことは、トークン化RWAが“実験的段階”を越え、金融業界の新たな柱となりつつあることを示しています。今後は、不動産、債券、株式など他の資産クラスにも波及し、トークン化による資本市場の効率化が本格的に進むと見ています。

総じて、この動きは「ブロックチェーン技術の実装が金融機関の標準になる未来」を示す非常に重要なシグナルであり、特に機関投資家向けの暗号資産市場の信頼性が大きく高まる一歩だと捉えています。RWAの拡大とマルチチェーン戦略は、今後の金融の新常識になる可能性が高いと感じます。