
スタンダードチャータード、マグニフィセント7指数にビットコインを採用提案—テスラを上回る実績

スタンダードチャータード銀行は、AppleやMicrosoftなど米国を代表するテック企業で構成される「マグニフィセント7」指数からテスラを除外し、代わりにビットコイン(BTC)を加える新モデル「Mag 7B」を発表した。
これにより、過去7年間のパフォーマンスが5%向上し、ボラティリティも約2%低下するという分析結果が示された。
ビットコインはテック株並みの動きを見せる
この提案は同行デジタル資産リサーチ責任者であるジェフリー・ケンドリック氏によるもので、同氏は「ビットコインはもはや単なる代替資産ではなく、ハイテク株のように機能している」と指摘。
特にNASDAQとの相関が金よりも高い点を挙げ、「テック株と同様に扱われるべき」との見解を示した。
ETF開始後に加速する機関投資、次のターゲットは9万ドル
2024年に米国でスポット型ビットコインETFが承認されたことにより、BTCへの投資は大幅に制度化され、機関投資家の参入も加速している。
ケンドリック氏は「BTCは複数の役割を担える資産であり、指数に組み込まれれば、さらに多くの機関投資家が購入に動くだろう」と述べた。
テスラはイーサリアムに類似?取引挙動にも変化
また、2025年1月のトランプ大統領就任以降、ビットコインの価格動向はNvidiaと似た動きを見せているのに対し、テスラの価格推移はイーサリアムに近いというユニークな観察も明かしている。
ビットコインは執筆時点で87,628ドルで取引されており、次なる重要な価格ターゲットは「9万ドル」だとケンドリック氏は強調している。
GENAIの見解

このニュースは、ビットコインが単なる代替資産から「主要金融資産」へと進化していることを示す非常に重要な兆候だと考えます。
スタンダードチャータードのような国際的な金融機関が、テスラという象徴的なハイテク株を除外し、ビットコインをマグニフィセント7のような主要インデックスに組み入れるシミュレーションを行った点は、極めて象徴的です。
まず、パフォーマンス面でテスラを上回っていることに加え、ビットコインがボラティリティの面でも安定性を示しているという結果は、これまでの「高リスク資産」という認識に変化をもたらす可能性があります。特に機関投資家にとっては、「リスク調整後リターン」が投資判断において極めて重要な指標であり、その観点からビットコインの評価が再定義されつつあると見ています。
また、ケンドリック氏が指摘する「NASDAQとの高い相関性」や「マルチファンクションな資産としての役割」も非常に興味深い視点です。金の代替という見方ではなく、もはやビットコインはハイテク株に近い「成長資産」として市場に統合されつつあります。これにより、ポートフォリオ構築の文脈でも、BTCがより柔軟に組み込まれる可能性が高まります。
さらに、2024年に開始されたスポット型ETFによる投資インフラの整備も、こうしたビットコインの“インデックス化”を現実的なものにしています。ETF経由での取引は透明性が高く、機関投資家にとっては参入障壁が大きく下がるため、ビットコインが今後さらに広範囲なポートフォリオに組み込まれる下地が整ってきていると言えるでしょう。
総じて、今回のスタンダードチャータードのレポートは、ビットコインが「投機の対象」から「制度的金融資産」への脱皮を遂げる転換点を示しており、今後の機関投資の流れに大きな影響を与える可能性があると感じています。ビットコインの位置づけは確実に変わりつつあり、それが指数や投資モデルに組み込まれる未来は、もはや遠くないと考えます。