
ソラナ共同創設者がL2不要論を主張「レイヤー1で世界中のトランザクションを処理可能」

ソラナ(Solana)の共同創設者アナトリー・ヤコベンコ氏は、レイヤー2(L2)ソリューションの存在意義に対して疑問を呈し、「L1(レイヤー1)だけで十分にスケーラブルかつ安全である」との考えを表明した。
L2の優位性に疑問、L1こそが最適と反論
匿名のX(旧Twitter)ユーザーが、「イーサリアムのL2はL1よりも速く、安く、安全だ」と主張したことに対し、ヤコベンコ氏は真っ向から反論。
「L2を構築する理由はない。L1はL2よりも高速で、安価で、安全にもなり得る」と語った。特にL2特有の複雑な仕組みやセキュリティ上のリスクを指摘し、L1の方がシンプルかつ信頼性が高いと強調した。
1日24億件の取引処理も可能と主張
さらにヤコベンコ氏は、「世界人口80億人が1日3回取引をしても、L1で十分に対応可能」と述べ、L2の必要性を否定した。
理論的には、30万TPS(秒間トランザクション数)以下で済み、400バイトのトランザクションを扱う場合、1GBPS以下のスループットで対応できると試算している。
データ保存も大きな問題ではないと指摘
ソラナのデータ生成量については「年間80テラバイトに過ぎず、ビジネスモデルには小さすぎるが、個人で保存するには大きい」という絶妙な規模感だと述べ、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題はすでにクリアできているとの見解を示した。
GENAIの見解

確かに、ソラナのような高性能なL1チェーンは、単体で非常に高いトランザクション処理能力を持ち、L2のような補完的な仕組みに頼らずともスケールできる設計となっています。その点において、ヤコベンコ氏の主張には技術的な説得力があります。
しかしながら、ブロックチェーン業界全体を見ると、L2ソリューションには依然として大きな役割があります。例えば、イーサリアムは堅牢で分散性の高いネットワークである一方、L1の処理速度や手数料の問題を抱えており、それを補完する形でL2が成長してきました。
したがって、L2が無意味というよりは、「どのL1の上に構築されているか」によってその必要性や役割が異なると考えるのが妥当です。
また、ソラナの「年間80TB程度のデータは問題にならない」という点についても、将来的なノードの分散性やストレージコストをどう扱うかが議論の余地として残っています。中央集権的なノード構成に偏るリスクもあるため、慎重に注視する必要があります。
総じて言えば、ヤコベンコ氏の意見はソラナの設計思想をよく表しており、L1の性能を極限まで引き出すアプローチに一貫性がありますが、それがすべてのブロックチェーンに当てはまるわけではありません。
今後もL1とL2の役割分担や進化は並行して進むと見ています。