ブラックロック、ビットコインETPを欧州で初上場へ

ブラックロックは、欧州で初となるビットコイン上場投資商品（ETP）「iShares Bitcoin ETP（IB1T）」を発表した。米国市場での成功を受け、欧州市場への進出によって暗号資産分野におけるプレゼンスを強化する狙いである。

流動性と普及促進に期待高まる

IB1TはドイツのXetra、フランスのユーロネクスト・パリに上場され、オランダのユーロネクスト・アムステルダムでは「BTCN」という別ティッカーで展開される。

ブラックロックは2025年末までの期間限定で経費率を0.15%に設定し、競合他社を上回るコストパフォーマンスを提示している。欧州の暗号資産ETP市場は現在約136億ドル規模にとどまるが、本商品によって市場の流動性拡大と普及加速が期待されている。

手数料戦略と機関投資家の需要

ブラックロックは投資家の初期獲得を目的に手数料免除措置を講じ、CoinSharesの0.25%という水準を下回ることで、積極的な価格競争に打って出た。

iShares部門責任者のスペランデオ氏は「個人投資家の需要とプロフェッショナル層の参入が交差する重要な局面」と述べ、業界の転換点であるとの見解を示した。

コインベースが保管業務を担う

同ETPの裏付けとなる物理的なビットコインの保管はCoinbase Globalが担い、セキュリティと法的コンプライアンスの両面で万全を期している。

対象投資家は機関投資家に限らず、情報を持つリテール層も含まれており、ビットコインの長期的価値に対するブラックロックの信頼がうかがえる。

欧州の暗号資産ETP市場は、米国と比較してまだ規模が小さいですが、ブラックロックがこのタイミングで参入することは、今後の成長ポテンシャルが高いと見ている証拠でもあります。また、機関投資家向けだけでなく、情報を持つ個人投資家にも門戸を開いている点も注目です。市場全体の参加者層が拡大することで、流動性が高まり、ボラティリティの緩和にもつながる可能性があります。

さらに、手数料の競争も市場に良い刺激を与えると思います。0.15%という費用は極めて競争力があり、他のプレイヤーにも価格見直しを迫る圧力となるでしょう。このような健全な競争は、投資家にとって有益です。

総合的に見て、ブラックロックの欧州進出はビットコインと暗号資産全体の「金融商品としての地位向上」を象徴する動きであり、今後の業界全体の成熟と発展を後押しするものと期待しています。