オーストラリア、暗号資産取引所とステーブルコインを規制へ｜デバンキング問題にも対処

オーストラリア政府は、暗号資産取引所やステーブルコインに対する新たな規制を導入し、同時にデバンキング問題への対策にも乗り出すと発表した。

新たな規制で業界の透明性向上とデバンキング対策を推進

今回の新規制により、大手暗号資産プラットフォームにはオーストラリア金融サービスライセンスの取得が義務付けられ、消費者保護や市場の健全性確保に向けた枠組みが整備される見通しである。一方、金融サービスに直接関与しない企業や小規模事業者は対象外となる。これにより、国内の暗号資産業界の透明性や信頼性が向上し、銀行によるデバンキング（サービス停止）の抑制にもつながると期待されている。

国際的な規制動向との整合性

こうした措置は、EUのMiCA導入やシンガポールの決済サービス法拡張など、海外の先進事例に倣ったものである。財務省は「国際的な基準に沿った規制によって、オーストラリアのデジタル資産分野の競争力が高まる」と強調した。

規制の対象範囲と業界への影響

新たな規制は、暗号資産取引所やカストディサービス、特定のブローカレッジプラットフォームを対象に、ライセンス取得とコンプライアンス遵守を義務付ける。また、ステーブルコイン発行企業なども規制対象に含まれる。一方で、非金融目的のデジタル資産開発やインフラ提供事業者は対象外となる。

さらに、政府はデバンキング問題の深刻化を受け、主要銀行との協議を進めており、リスク管理や透明性の向上を通じて、業界の健全な発展を後押しする方針である。クラーケン・オーストラリアのジョナサン・ミラー氏は「独自の規制導入により、業界の不透明感が解消される」と歓迎の意を示している。

政府は年内に法案草案を公表し、意見公募を行う予定であり、オーストラリア証券投資委員会も今後、デジタル資産に関するガイダンスの改定を進める方針である。

また、デバンキング問題にも正面から取り組む姿勢を示しており、これまで銀行からの不当なサービス停止に悩まされてきた企業にとっては朗報だと思います。

さらに、EUのMiCAやシンガポールの規制と整合性を取っている点も重要です。オーストラリアの暗号資産業界が国際的に競争力を高めるためには、こうした国際基準に沿った対応が不可欠です。

個人的には、こうした明確なルール作りが投資家保護にもつながり、健全な市場発展に寄与するものと期待しています。今後、他国も同様の動きを加速させる可能性があり、グローバルな規制強化の流れが一層進むのではないかと考えます。