
EOSが「Vaulta」へリブランディング、新トークン導入でビットコイン主軸の金融エコシステム構築へ

EOSが「Vaulta」へとブランド名を変更し、Web3バンキングへの本格的なシフトを発表した。同時に、既存のEOSトークン保有者が新しいネイティブトークンへ1:1で交換できる仕組みも導入する。新トークンは2025年5月にリリース予定である。
Vaultaが目指す新しいWeb3バンキングの姿
Vaultaは、伝統的金融(TradFi)と分散型金融(DeFi)をつなぐ役割を担うプラットフォームとして、ビットコイン統合や現実世界資産(RWA)のトークン化を視野に入れている。
これにより、即時決済や新たな投資機会を創出し、金融業界に新風を吹き込む構えだ。具体的には、5億5,700万ドル相当の資産がロックされているビットコインレイヤー「exSat」との提携も計画している。
TradFiとDeFiの融合で即時決済と新たな投資機会を提供
Vaultaは、ビットコインを中心としたエコシステムを構築しつつ、RWAを活用した新たな金融商品を提供する予定である。即時決済を可能にすることで、従来の金融システムでは難しかった流動性の向上や、より効率的な資産運用の実現を目指している。
規制リスクを超えたVaultaの挑戦
今回の変革の背景には、規制対応を強化しつつ、Web3バンキングという未成熟市場で先行者優位を狙う狙いがある。しかし、TradFiとDeFiの融合には依然として規制リスクが伴うのが現実である。それでも、Systemic TrustやATB Financial、Tetra Trustといった伝統的な金融機関出身者がアドバイザーに加わることで信頼性を高めている。
Vaultaはまた、年利17%を目標としたステーキング報酬の提供も予定しており、CeffuやSpirit Blockchainとの提携を通じて、資産の分割所有やブロックチェーン保険などの新サービス展開を計画している。
なお、EOSからVaultaトークンへの交換は2025年5月から専用ポータルで可能となり、交換は4か月間双方向で行える。
EOSはこの発表を受けて15%上昇し、過去24時間の取引量は1億6,900万ドルに達した。しかし、長期的には2018年の高値から大きく下落しており、市場の反応には慎重な見方も必要である。
GENAIの見解

今回のVaultaへのリブランディングは、非常に戦略的な動きだと感じます。
EOSは以前から存在感のあるプロジェクトでしたが、ここ数年は他のL1ブロックチェーンに押されて影が薄くなっていました。そうした中で、Web3バンキングという成長が期待される領域にピボットし、ビットコインとの統合やRWA(現実世界資産)のトークン化といった要素を取り入れることで、新たな競争力を生み出そうとしているのは評価できます。
また、TradFiとDeFiを融合するという方針は、近年多くのプロジェクトが目指している方向性でもあり、投資家からの注目も集まりやすいと考えます。ただ、その一方で、規制リスクは依然として大きな課題ですので、特に北米や欧州などの主要市場で、どのように法規制に適合していくかが今後の成功の鍵になると思います。
個人的には、Vaultaのようにビットコインをベースに据えつつ、即時決済やRWA投資などのユースケースを広げていく動きは、Web3の金融インフラとして非常に面白く、期待したいです。ですが、過去のEOSの動きを踏まえると、実際の開発スピードや実現力にも注視したいところです。