米国有権者、暗号資産への連邦資金増額に消極的｜ホワイトハウス「税金は使わない」と説明

米国では暗号資産開発への連邦資金増額に対する有権者の支持が低いことが明らかとなった。データ・フォー・プログレスの調査によれば、約10％の有権者しかトランプ政権による資金増額を支持していない。

一方で、ホワイトハウスは暗号資産備蓄に税金は使わないと明言している。

有権者の優先事項と暗号資産政策のズレ

今回の調査では、暗号資産およびブロックチェーン開発への支出増加を望む声は限定的であり、45％が「むしろ減額すべき」と回答した。有権者の関心は、社会保障やメディケア、交通インフラなど、生活に直結する分野に向けられていることが浮き彫りとなった。特に、民主党支持層や無党派層においては、暗号資産備蓄に対する反対意見が強い。

なぜ暗号資産への支出が敬遠されたのか

この背景には、トランプ大統領が3月6日に署名した「暗号資産戦略的備蓄」設立の大統領令がある。備蓄のための資金源については、ホワイトハウスの説明で「刑事・民事訴訟による没収ビットコインを充当する」と明記されたものの、税金の投入を懸念する声が一定数存在していたとみられる。

税金は不使用、だが依然として根強い反対意見

ホワイトハウスの説明により、税金を使用しないことが明確化されたが、それでも備蓄設立そのものに過半数が反対している。

党派別で見ると、共和党支持層では一定の支持があるものの、民主党支持層と無党派層では反対が上回る結果となった。暗号資産をめぐる政策に対する有権者の警戒感は依然として根強いと言えそうだ。

トランプ政権はビットコインを含むデジタル資産を国の戦略的備蓄に組み込もうとしていますが、有権者の多くは生活に直結する社会保障やインフラ整備を優先していることがよくわかります。

また、ホワイトハウスが「税金は使わない」と明言しているにもかかわらず、過半数が備蓄そのものに反対している点も重要だと思います。これは、暗号資産に対する不信感や、政策全体に対する慎重な姿勢が背景にあるのではないでしょうか。

個人的には、国として暗号資産にどう向き合うべきかという議論は必要だと思いますが、有権者の理解や支持を得るためには、より一層の説明や透明性が求められると感じました。